2012/10/14

『LOVELY QUEST (ラブリークエスト)』 感想

ラブクエプレイしたのでその感想。

とりあえず、疲れました。おいたん疲れた…。どのくらい疲れたかと言うとフルコンプした翌日に頭痛吐き気悪寒を催してぶっ倒れて寝込むほどです。

どうしてこんなことになってしまったのか。俺は体験版の感想でこう予想しておりました。
定期的に「ラブスマ活動」とそれに続く「ガーリートーキング」で二重に「ぎゃーかわいい!」のドーピングをされて、落ち着いたころに再びそれを繰り返す。さらに過激になったお題のせいで投薬量はどんどん増えていくんでしょう。たぶん副作用ひどいと思うけど、ドーピングしてる間は異常に興奮できることは確実だと思う。
まさにこれです。これからプレイされる方はお気をつけ下さい。具体的にはそうですね、一人攻略するごとに一週間くらい休憩を挟むというのはどうでしょうか。土日はラブクエ、平日は他のゲームといった感じです。間違っても連続でやってはいけません。プレイしている間はいいんです。クスリが切れてないわけですから。オーバードーズした後の副作用が問題なのです。容量用法を守っておプレイくださいませ。


さて、それではラブクエというお薬の成分(ヒロイン)についてのお話に移りたいと思います。紹介順はたんに俺がプレイした順番になってます。

まずは妹の水穂。まあまずは妹ですよね♪ 実妹です。そういえば実妹義妹に関して言えば、俺はどっちもいける口です。ただし、全くの別物として認識しています。実妹は妹で「ある」のに対し、義妹は「妹になった」のだから、妹で「ない」ことに重点を置いて読みます。妹に生まれてしまった理不尽と、妹であることを選んでしまった理不尽。どっちも良いものだーあーあー(やる気ねえな)。

話戻して水穂ルートですが、基本的に「ラブスマ活動」における肉体的な接触が先んじたルートです。妹の肉体を感じてちんこ勃っちゃってだめなお兄ちゃんと、お兄ちゃんの肉体を感じておまたきゅんきゅんしちゃってだめな妹が結ばれるというごくありふれた展開がなされます。いやだってねえ妹の太ももに顔挟まれながら耳かきなんかされちゃったらお兄ちゃんの息子は妹の子供でどうしたらいいの?ってなっちゃうのが自然の摂理というものです。動物化するポスト兄妹(まじめに書け)。非常に説得力がありました。まる。

で終わってもいい気がしますが、このゲームの売りの一つであるヒロイン視点「ガーリートーキング」については語っておかなければならないでしょう。どのヒロインのルートでも、ラブスマ活動の後とかHシーンの後(!)とかいろんなところでヒロイン視点が挿入されるんですけど、これが素晴らしい。水穂が自分の部屋のベッドの上でお兄ちゃんのこと考えて自分の気持ちがよくわからなくなったり、お兄ちゃんへの恋心に気づいたりするシーンは言うまでもなく描写されます。さらに!水穂さんは妹なので当然お兄ちゃんのパンツの匂いを嗅ぐかどうかで悩んだりするんですが、この際の葛藤をちゃんと妹視点で描写してくれます。お兄ちゃんの寝込みを襲うかどうかの葛藤とかもありましたし…。HOOK SOFTさんには足を向けて寝れません…。

あと、このルートの面白いところは、いわゆる近親相姦の問題をかんぜんにうっちゃったところにあります。よくあるパターンだと、血が繋がってるのに~、とかあるじゃないですか。このゲームでは、エピローグで「そんなんしーらね♪」ってやります。これは(好意的に見れば)このゲームの掲げた「真の『純愛』を探すストーリー」というお題目に関係するところだと思われますが、この辺についてはまた後ほど。


続いてアイノです。このルートはですねー、アイノは見た目(ロリ体型&金髪ロング)に関しては圧倒的に好みで、ものすごい期待と共にプレイしたのですが、合わなかったです。アイノがどうこうというわけではなくて、主人公がダメでした。だって、Hシーンのときに「(やっても)良いよな?」的なこと言うんですもん…。それは違うよ主人公君。いいか?そこは「セックスさせていただけないでしょうか?」だ。わかるか?お願いして、アイノはセックスとかよくわかんないんだけどなんか恥ずかしいことだとはわかっててすごく恥ずかしいんだけど、主人公がすんごくしたがってるから「いいよ」って言う展開じゃないと!まったく。まあこれは端的な例ですが、バイト関連のお話とかもそうですね。無意識的に主人公が上位に立ってる感じが好みではなかったということです。


次にプレイしたのは先輩ルート。こちらはアイノとは逆に見た目(巨乳すぎる)が全く好みではなかったのですが、非常に良かった。このルートの売りは二つあります。一つは、先輩視点のガーリートーキング。先輩は萌えゲよろしく恋愛経験ゼロなんですが、後輩くんの前で先輩ぶろうとします。その結果どうなるかというと、例えばデートとかで何が起きても余裕を持って対処できるように、あらかじめ前の日に自分の部屋でシミュレーションを行います。主人公がこうきたらこうしてああだこうだ、と。しかもそのせいで寝不足になったりするあざとさ!いやーびっくりしました。キスのシミュレーションして枕抱えてじたばたしてたりとか、シミュレーションから外れてあたふたしてる様子とか…。

もう一つの売りは、間違いなく賛否両論あると思いますが、主人公の圧倒的な童貞力ですね。このルートでは先輩が必死になって余裕ぶっているのですが、基本的に主人公はこれにまんまと引っかかって先輩の手のひらの上でころころ転がされます。「先輩にかなわない、先輩が気になる、あーもう!って感じで主人公がベッドの上で悶えまくる。男が悶えるのなんか見たくねえ!っていうひとには不快かと思いますが、俺はこういう主人公に同期するのが大好物なので、かなり楽しめましたね。

ちょっと勿体ないのは、初Hシーン後は、主人公の童貞力が当然のごとくなくなってしまって、一応先輩に弄ばれてはいるものの、女の子の手のひらの上で転がされる快感がかなり減ってしまった点です。それでも全体として見れば非常に楽しめました。先輩ルートは二番目に好きなルートですね。


先輩の次は、このゲームのメインヒロインとして据えられている羽美ルートをプレイしました。幼なじみの羽美さんの特徴はなんといってもその圧倒的な妄想赤面力です。この娘は主人公のなんでもない一言を火種に十の妄想をかまし、その自らの妄想でカスケードに妄想を膨らませて勝手に悶え転げて赤面しやがります。ガーリートーキングなんかでもそうで、自分の妄想で勝手に点火して燃え広がって「どうしようっ!」とか言っちゃうという…。この羽美さんの妄想劇場は非常に楽しかったです。ただ、羽美さんの赤面力が主人公との距離が近づくにつれて下がっていったのは残念でした。妄想に現実が追いつくに従い、羽美さんの赤面力の源であった妄想力が十分に発揮されなくなってしまうので。仕方ないんですけど、尻すぼみな印象ですかね。


さて、記憶によると羽美ルートの途中くらいからダレ始め、終わったときにはすでに疲れきって若干やる気をなくしていたようです。この文章についてもすでにダレ始めております(すいません…)。

そんな中全く期待せずに選んだのが、おまけヒロインであるところのはつねちゃんルートです。えっ?何ではつねちゃんだけちゃんづけなのか?それはですね、はつねちゃんがおんにゃのこだからです。

――おんにゃのこ。それは空想上の生物。かわいい成分だけで構成され、それを見たものは自動的に下半身が隆起し脳の機能は停止。口は半開きになり、全身の穴という穴から性臭を発するだけの動物と化すという…。サキュバスは言ってもちんこから精力を吸い取る程度で、あんなもんは大したこたーないんですよ。おんにゃのこには敵わない。おんにゃのこからは逃げられない!おんにゃのこには抗えない!!

例を一個だけ挙げておきましょう。このルートで主人公とはつねちゃんは「秘密の合図」を共有します。朝あったときに二人だけがわかる合図でメッセージを送り合ったりします。この合図がかわいらしいもんなんですよ。エロゲなんだからさー、「昼休み。体育倉庫。セックス。」みたいなのかと思ったらそんなんじゃないんですよ。フツーの挨拶で。秘密を共有してる事自体が楽しいっていう。はつねちゃんも楽しそうにしてんの。甘酸っぱい分よっぽどきついわ。俺はつらい。見ていてつらい。そんなん俺だってやりたかったっつーの!!!

しまいにゃ『好き』という合図とかやりだしますからね。おーい。俺が見てるぞー。やめろー。泣くぞー。

はぁ。はつねちゃんと付き合いたかった…。

まあ凄くいいルートです。おまけなんで短いですけど、むしろ尻すぼみになることなく終わったのでこのくらいの長さのほうがいいんじゃないかしら。一番好きなルートです。


最後にプレイしたのは全く期待してなかったいろはルートです。このルートは先輩ルートと同じくらい良かった。基本的には身体接触ベースで進みます。踏まれたり肩車したりおんぶしたり…。肩車とかおんぶとか柔らかくていい匂いがするらしいですよ?知ってますか?知らねえよ…。ああ羨ましい…。ただし、踏まれるシーンはだめだ。せっっかく踏まれてるのに、パンツが見えてるほうに注力するのはどう考えてもおかしい。うわばきを脱いで踏んでくれてるんですよ!もっとあるだろ匂いとか温度とか感触とか!靴下は湿ってたのかどうなのか!主人公のアホー!

とにかくラブスマ活動とかいろんなハプニングは身体接触ベースで、どんどん先に進んでいきます。でまあ観てるほうとしてははいはいこのままセックスになだれ込んでくださいなって感じなんですけど、ラブスマ活動以外ではぜんっぜん先に進まない。俺はおんぶなんてほとんどセックスなんじゃないかと思うんですが、そうではないらしい。おんぶまでやっておきながら日常生活でたまたま目があったらお互いに目を逸らして照れてたりする。手が触れ合ったらあわてて手を引っ込めたりする。

な ん だ そ れ は

いやまあ理屈としては良い。身体接触があって意識し始めた。それは良い。わかる。わかりますよ。ただね、観てるこっちとしては何というかもう我慢がならないわけです。「こっちは興奮してんだ!さっさとHシーンを見せろ!」といったような感情とともにクリックしているというか。主人公もいろはも自分の部屋で自分の気持ちを言葉にできずに悶々としてるんですけど、それを見ている俺は下半身と脳髄が悶々としているのです。楽しいんだけど悶々もんもん…。

あとはそうだなー。告白された後のいろはのガーリートーキングが素晴らしかった。主人公に告白されて動揺しまくったいろはさんは走って逃げて一日返事を保留しちゃうんですが、その日の夜のふとんのなかでいろはが何を考えているのかを監視することができました。生きてて良かった。これがこのゲームのベストシーンだと思います。


といった感じでヒロイン紹介おわり。こうやって振り返るとアイノ以外は楽しかったですね。羽美は若干微妙ですが。

さて、最後にちょっとだけシナリオとかについて。このゲームは公式のストーリー紹介で、「真の『純愛』を探すストーリー」と銘打ってありますが、その辺の話。このゲームでは確かに『純愛』なるものが提示されています。どういうことかというと、このゲームでは、体験版の感想でもちょっと書きましたけど、徹底的に余計なもの(と製作者のみなさんがみなしているもの)が排除されている。それは一般的にはシナリオの薄さとみなされるものです。水穂ルートのところで近親相姦の問題がうっちゃられていたり、羽美ルートで羽美の赤面に関する明らかなフラグが結局放棄されてしまったりする。これらは、『純愛』ゲーに「シナリオなんていらない」という宣言なのではないか。

あるいは。ラブスマ活動は純か不純かを判定する活動とされていますが、実際にやっていることはどう見ても不純です。少なくとも俺には不純に見えました。プレイしながら興奮してましたから。そして、彼らの恋愛はラブスマ活動によって駆動されたものです。つまり「不純」な動機から恋心が芽生えている。じゃあ、彼らの恋愛は「不純」なのか?

それは違うだろう、と。理由と感情は独立し得る。「好きになっていた」と気づく場面や、その感情を何気なく伝えるだけの告白シーン。俺はあまり好きではないですが、全てのルートで同じお題が出される最後の二人でのラブスマ活動とその答え。理由が存在している「から」この感情が存在する場合、理由を失ってしまったときへの不安がつきまとってしまう。だから、理由がなくなっても好きだというのは美しいわけです。でも、それなら、初めから理由などいらないのでは?

このゲームで提示された『純愛』というのは、理由付けとは独立に存在するという『純粋さ』なのではないか。そんな妄想で筆を置くことにします。