2012/11/04

『夏空のペルセウス』 体験版 感想

『夏空のペルセウス』の体験版プレイしたのでその感想。

…なんだこれ。びっくりしました。体験版のラストの告発シーン。

いやなんか分割ダウンロードとかくそめんどくせえなあんまり買う気もないしまあいっかと思ってたんですけど、今日やることなかったのでダウンロード待ちしつつ買い物に出かけて家かえってきた後にプレイしてみたら実に面白い。

まず妹の恋(名前)がひっじょーにかわいい。俺のほぼどストライクの妹です。妹の定義といっても良いくらいです。やっぱり妹はわがままでないといけない。恋が言っているとおり、「兄にわがままを言うのは妹の特権」なのです。お兄ちゃんはわたしのものだから、お兄ちゃんがわたしのことを一番に考えてなきゃ嫌だし、お兄ちゃんはわたしを甘えさせてくれないとダメだし、お兄ちゃんはわたしのわがままをちゃんと聞いてくれないといけない。

妹のわがままは最高のエサです。それだけを食べていれば生きていけます。この世の荒波にも負けず、ただ妹のわがままを聞くためだけに存在する…。「しょうがねえなぁ」とか口にはするんだけど内心ではちょっと喜びつつ妹の機嫌をとる。しかもねえこの妹さん、たまに無邪気に笑うんですよ。いっつも不機嫌そうで、まあ社交的な感じでは決してない。でも、お兄ちゃんと一緒のときに、ふとした瞬間に、無邪気に笑う。目が覚めます。はっとする。ああ、このまま死んでもいいんじゃないかって。

この妹(恋)のすごさが端的に表現されているのが序盤のとあるシーンです。主人公と妹は、どちらも他人の「痛み」を自分に移すという力を持っています。そのせいで人に利用されたり、他人と深くかかわれなかったりしてきたらしいですが、それはどうでも良い。序盤、主人公が他のヒロインに目移りした場面で、恋は片手で主人公に触れながら、もう片方の手で自分の腕をつねることで、主人公にその痛みを味わあせる。単に主人公の腕をつねるのではなく、です。これは極めて重要で、主人公を痛めつけたいのではなく、主人公が他のヒロインに目移りする様子を眺めている自分の痛みを主人公に知ってほしいわけです。だめだまた興奮してきた。

正直この妹さんの魅力だけで購入するには十分なんですが、ストーリーも引きこまれます。いや初めは選択肢とか登場せずに勝手に話が進んで余命わずかヒロインの透香さんのほうに主人公が勝手にふらふらっと引き寄せられていき勝手に告白とかしだしてどうしたもんかなーと思って読んでたんですけど。どう考えても妹のほうがかわいいじゃねえか!とか思いながら。しかも何で主人公が透香に惚れたのかさっぱりわからない。これはたぶんプレイした人はみんな思うんじゃないかしら。告白シーンを見たときの俺の感想は、

ちげーよバカ。告白して「選んだ」ことにしなければ、力を使えないんでしょ?

というものでしたが、要するに、主人公が透香のことを好きになってしまったという実感が全く感じられず、単に透香を救いたいがために、自分の行動の理由を正当化するために「選んだ」ようにしか見えなかったんですね。プレイしていて全くスッキリしない。えーこれどうなのよとか思いながら妹の嫉妬の可愛さでなんとか読み進めているうちに気づいたら透香とのセックスが始まったりして、こんなもんただの痴女じゃねえのか違うとは言わせねえぞこらとか思ってたところで、冒頭に言った体験版ラストの透香による告発シーン。

やられました。

主人公が、「他人の痛みを自分に移す」という能力を透香に告げた後の透香の反応。そんなものはいらない、同情なんてもう飽きるほど受けてきた。そんなありきたりな、自分にとって「普通」の他者の反応はいらないんだ、という台詞。主人公が自分をごまかすために使った「うそ」を告発するシーン。この時点で俺は透香に同期して、彼女の冷たい台詞に共感する。そして同時に、彼女の告発に動揺する主人公に移入して、透香の美しさに圧倒される。不自然なほどに美しい光によって非現実的さを加えられた夏空の下で、まっすぐ立つ孤高な少女の姿に、言葉を返すことができなくなる。

彼女が最後に放つ「さようなら」。そして流れるOP。完璧な引きです。さて、こっからどういう風に話が進むのか。若干怖いもの見たさはありますが楽しみです。あー早く続きがやりたい…

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すいません。重要なことを忘れていました。妹の恋ですが、この娘は主人公のことを名前(森羅)で呼び捨てにします。みなさんご承知の通りこのタイプの妹は自室では主人公のことを「お兄ちゃん」と呼びながらオナニーすると相場が決まっていますから、現時点ですでにこのゲームが傑作になることは確定していると言わざるをえず、要するに何を言いたいかというと、早く続きがやりたい…

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遅ればせながら、本編感想書いておきました。好意的ではないので注意。
http://sagaslave.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html