2013/11/16

オタクのソロプレイうんぬん。

そもそも自分がオタクなのかどうかがよく分かっていないというか、少なくとも自分で「俺はオタクだ」と自称することは一生ないと思うのに反応するのはおかしい気がする。がまあそれは置いとくことにしよう。

読んでて一番違和感があったのは、「輝くような情熱」というターム。そんなものを持ってないとオタクじゃないというのであれば俺なんかは端から今まで殆どずっとオタクじゃねえなあというのがひとつ。別に「輝く情熱」という言葉に「意識の高い(笑)」みたいな意味を見てそう言ってるわけではない。たぶんここでは「腹が減ったから物語を摂取する」というような感覚を「情熱」と呼んでいるのだと思うけど、俺について言えばそんな感覚はあっても半年に一回とかそういう頻度で、普段はただなんとなく時間があればスマホなりで電子書籍読んで、家帰ってなんとなくテレビつけるおっさんの感覚で録画アニメ見て、ただのルーチンとしてエロゲの体験版を漁ってプレイしてるわけだ。そこに「情熱」どころか積極的に物語を摂取しにいこうという感覚は全くない。そこまで多くはない自由時間の全てを費やしているとは思うけれど、息を吸うようなもんで、意思して行為しているわけではない。

つーか別に強い意思を持ってオタクコンテンツの消費者になったわけではないし、ゆっくり入っていってそれが今まで続いているだけなんだよね。別にこれを維持したいとも思わない。ただ、俺は極めてイナーシャの大きい人間なので、ほっといたらこのまんまかあるいはゆーっくり見なくなっていくかどっちかになるんだろう。

そう言えばあの文章はなかなか不思議で、「オタクをやめたっていい」と文中にあるにも関わらず、やめないためには群れる必要がある、と書いてあったりする。あと、ソロプレイでは健康を害し暮らしを害しといっていて、それなら生活をないがしろにしてでもオタクコンテンツを摂取するものだけをオタクと呼ぶのかと思ったら、暮らしと両立させて群れて「オタク」を続けることを推奨していたりする。

前者をオタクとして定義するならそこまで求道的でないものはオタクではないのだから、「群れたオタク」は語義矛盾でしかない。後者をオタクに含めるのなら、俺のようなゆるいオタクコンテンツ消費者もオタクであり、ソロプレイのオタクは暮らしや健康を害してうんぬんという前提は成立し得ない。

うむ、よくわからん。

まあもう一個の前提である、人間関係の充実が人間にとって幸せである、という概念が全くわからないというのも大きいのかもしれない。ナマモノ気持ち悪いんだよね。半年に一回くらい漠然と寂しくなって、半刻人間に触れればめんどくさくて嫌になってしまう程度には。

2013/11/10

WHITE ALBUM2 アニメ6話

ホワルバ2の6話みました。全体としては特に表情変化がくどくて個人的にはイマイチ。まあそれはいいんですが、アニメ見た後PC版追っかけプレイ(楽しい)やってたら印象まったく違って驚いたのでメモしとくことにします。

場面としては、春希が雪菜を連れだしてかずさの家に行った後、バンドのオリジナル曲である『届かない恋』のことを雪菜に知らせるところなんですけど、アニメ6話ではこんな感じ。

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かずさ 「北原が詞を書いて、あたしが曲を着けて、小木曽が歌う、三人のためだけの歌、だ」

これを聞いた雪菜は「三人のため」という部分にまず喜ぶんだけど、歌詞を読んで、『届かない恋』が誰が誰を思って書いた歌か気づく。ここで、歌詞を読む雪菜の声は視聴者に聞こえていて、雪菜の表情の暗さも見えている。その後雪菜が二人に何かを問おうとしているのも、雪菜がこの曲に対して何かしら思うところがあると示している。

春希「冬馬の奴、(歌詞を)一行も直さなかったからさ」

ここで雪菜が目を見開き、その後茫然とした表情で固まる。春希の言葉が耳に入っていないのがわかる。雪菜は一瞬唇を噛みしめ、意識的に笑顔を作って「夢は、大事だよね」と言う。そして『届かない恋』の練習が開始される。
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一方ゲームでは

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かずさ 「その詞… 小木曽をイメージして書いてるらしいぞ?」

ただし、「元の詞はもっと前にできて」いて、「雪菜がボーカルに来てくれることになったから、言葉の使い方とか、イメージとかだけ合わせ」たと春希が補足(声に出しているので雪菜にも聞こえている)。

かずさ 「北原が詞を書いて、あたしが曲を着けた、小木曽のためだけの歌、だ」

雪菜が歌詞を読むより先に、春希が「冬馬の奴は一行も直さなかったから不安でさ」と言い、また、雪菜が歌詞を読み上げる際に雪菜の声はほとんどプレイヤーに聞こえない。そして、ためらいはほぼなく、練習が開始される。

ただし、雪菜が"いつも以上に真剣な表情"で、「………頑張って、わたしたちの曲、完成させよ?」と宣言する。
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かなり違ってますが、アニメ版での雪菜というキャラクターに対する強い補足は個人的にはアリだと思います。

アニメ版で強調されたのは、『届かない恋』を歌う雪菜の意思です。PC版でも最後の「………頑張って、わたしたちの曲、完成させよ?」に表れているんですが、かなりさらっとしていて、俺みたいにぼけーっとプレイしてると気づかないレベル(雪菜さんホントすいませんでした…)。そのくせ、これ気づくのと気づかないのとじゃ学園祭ライブの見方が大きく変わってしまうという。

『届かない恋』ってのは歌詞聞きゃ誰でもわかるように、春希のかずさへのラブレターです。その詞にかずさが曲を着けて、よりによって雪菜に(大勢の観客の前で)歌わせるという残酷さが学園祭ライブにはある。

ここでもし雪菜がかずさの「小木曽をイメージして書いてるらしいぞ」なんてバカな言葉を信じて歌詞の意味に気づいてなかったとしたら、雪菜がただのピエロになってしまう。もちろん、実際には"いつも以上に真剣な表情"と「わたしたちの曲」という言い換えからわかるとおり、これは酷い誤読です。

アニメ版では歌詞を読む雪菜の声と表情のおかげで、こうした誤読が不可能になっていて、さらに雪菜が歌詞の意味を知ってなお、「三人のためだけの歌」にするために不快さを我慢して歌うことを決めたこともわかります。ゲームでちゃんと読めてる人にとっては風情がなくなっちゃったんじゃないかとも思うんですが、ゲームで誤読してた俺にとっては非常にありがたい改変でした。アニメで初見のひとにとっても助かる気がするけどどうなんだろ。

次回ライブだと思いますが、こう認識しなおした俺がステージに立つ雪菜さんを見てどう感じるのか若干こわい…(かずさ派)

2013/10/26

まどマギ観て帰ってきた。一言で言うと、ずっとマシになりましたね。良かった。途中ダレたけど。

冒頭から思い出しつつ書いてみる。

しょっぱなから全員揃っていて異常性にはすぐに気づく。初めは全員揃っているというだけの不自然さであって、全員が普通に魔法少女して学校通って~というifとしては非常に自然に見えていたが、ほむらの自己紹介あたりからキャラクターに対する違和感を抱き始める。仁美のナイトメア退治のくだりの、最後ひとり離れて立つさやかもそう。杏子のデレっぷりは正直微妙。

ナイトメア退治の変身シーン。自分のガワを破っての変身が目立つ。ソウルジェムが弾けるような。そういやここ、順番に変身してくのは5人もいるとダレて勿体無い感じ。

どのタイミングでOP入ったのかすでに忘れていて俺の頭は大丈夫なのかと思うがそれは置いといて、OPの後半で他の4人とほむらのズレが強調され、これまでの物語との接続を意識する。

ほむらが世界のおかしさに気づいた後、べべを襲った流れで展開されるマミさんとの銃撃戦は見事。テンション上がりまくるが映画館なので我慢。隣のポップコーンがくさいのでマスクを装着。しかし咀嚼音に耳栓はできないのであった。

魔女が作り上げたと言った段階でまず間違いなくほむらだと信仰するのが我ながらゲスい。とはいえ、けっこうすぐに正解だと明かされるとどうしようもねえなーと頭抱えたので実は心優しいのかもしれん。

この辺、QBの思惑を入れたのは無駄にややこしくなっている気がする。一度だとこの後の展開とのほむらの感情のつながりがよくわからなかった。要見なおしですな。

QBの思惑を切ってからはストレートで、魔女になってまどかに出会い、ほむらの願いでまどかを神から引きずり下ろす展開は、TV版ラストに不満を持っていた人間からすれば凄く良かったとしか言いようがない。あれは全部ではなくて、魔法少女としての強さがまどか>>ほむらなので、ごく一部を引きずりおろしたのだと把握している。理由としては、いわゆるアルティメットからただのまどかが分裂する絵、あるいは分裂してほむらの世界に移ったまどかが何かを思い出すシーンとかですね。

ここまででEDだけど、個人的にはほむらの願いさえ叶えばいいので、初めに言ったとおり「ずっとマシになった」と思う。ただ、ED後のTV版ラストを彷彿とさせるほむらの絵を見ると、もう一歩行ってくれるのかなーと。今後も続くのかどうかすら知りませんが。完全な神の一部を、弱い悪魔が引きずりおろして、二人にパスが繋がった。リボンを返せる程度には。あとはその穴を広げるだけでしょう。

完璧なハッピーエンドを期待しております。

2013/08/18

名場面マーカー

ホワルバ2 VITA版のこれ
名場面マーカー表示 
プレイ中に名場面が近付くと、ゲーム画面にそれを知らせるアイコンが表示される。
ピックアップした名場面はユーザーの皆様から募集した選りすぐりのシーン! 
http://www.amazon.co.jp/dp/B00ECTGVFI
TLに流れてきたときは脊髄反射で野暮だなー、と思ったわけですが、それは何故かって考え始めると混乱してきたので思考メモ。見返すとバカっぷりがひどい。

野暮だな、と感じた理由ってのは「ここが感動する場面ですよ!」とデカデカとテロップ出されると冷めるだろってのがひとつ。もう一つは、不意打ちのシーンが全滅しない? という疑問。

後者については置いといて、前者に関連して思い出されたのが、主人公が射精するタイミングを知らせてくれる「射精カウントダウン」システム。たとえば妹ぱらのこれ(※18禁)
一緒にイける!射精クリックカウンター!!
あと何クリックで射精するのか?お知らせするカウント機能です。
ヌキ所のタイミング合わせはこれでバッチリ!です。
※ゲームの設定画面より機能をON/OFFする事が出来ます。 
http://www.moon-stone.jp/product/ms11/special.html
サジェスト、という意味での共通点ですね。名場面マーカーが名場面を教えてくれるのに対して射精カウントダウンは射精タイミングを教えてくれる。今コピペして思ったんだけど、射精カウントダウンで「ユーザーの皆様から募集した選りすぐりの抜けるシーン!」だと非常に嫌な風景である。

で、個人的には射精カウントダウンも好きではないわけですが、ただこっちは好意的な反応になる可能性はあると思うんですよね。例えば、自らの下の世話を機械的にされることに興奮する場合とか。前、Hシーンのパターンアニメに関して、道具的な方がよほど興奮すると書いたことがありましたが、これは何もヒロインを道具として扱う場合だけの話ではなくて、むしろ自分がいわゆる「精子を出す自販機」になってしまう方が興奮する。まあちっちゃなおんなのこに射精管理されるのとゲームシステムによって射精管理されるのとでは大きな断絶が存在しますが。

さて、ここまでつらつら考えてきて、「ゲームシステムによる射精管理」に至りました。そんで「あれ?」って思ったんですが、通常のゲームプレイによる「感動」ってのは何だ、と。相当に凄いゲームでしか体験しないことだけど、例えばそれこそホワルバ2でかずさの叫びがあって、キスシーンの一枚絵に切り替わって、雪が降ってて、言葉が消えて、音楽が流れていたときにただ機械のようにゲームによって感動をコントロールされている。そしてそれが異常に気持ちいい。

つまり、俺がはじめに言い訳として思いついた「感動を指図されたくない」というのは正確ではなくて、単に上手くやってくれ、ということだと。強引に盛り上げるだけの音楽では却って冷めるっていう話ですね。そんなもんで感動するかナメんな、上手く感動させてくれ。そして名場面マーカーは上手く騙してもらうには邪魔でしかない。

わがままな消費者だ。

2013/08/14

『天色*アイルノーツ』 感想

アイルノーツのプレイ感想。オナニーバレしかない。

素晴らしいおなにーゲーである。

なお、ここで言うオナニーの主体はプレイヤーでも製作者でもなく、ヒロインです。おんにゃのこがおなにーするのを眺めるのが好きで好きで見てると自分がオナニーするのをすっかり忘れてしまうどころかオナニーした気分になってしまってすっかり満足してしまう皆様方におかれましてはこのゲームは傑作となることでしょう。もはやちんこが勃たなくなってしまった皆様方におかれましてもおんにゃのこ一人称に感情移入することにより美少女になって様々なオナニーを疑似体験できる素晴らしいゲームとなっております。

攻略対象は6人ですが、うち3人がシーン回想付きのオナニーを装備しており(※ティア先生がアフターでオナニーをしているが、即座に主人公に見つかってしまい回想シーンではすでに主人公が目の前に居るのでこれはオナニーに含まないこととする。そもそもオナニーというものは自ら慰めるわけでそこには他者は存在しないはずで、ヒロインが妄想するちんこも妄想上の産物であることが好ましく、この意味で初体験以降に行われるオナニーはもはやおなにー強度の点で劣っているといわざるを得ない)、むっつりすけべで日常シーンの立ち絵ですらエッチな教本を常に胸にかかえているティアせんせいの初Hシーンにおける自白を含めるとなんと4/6, 約分すると2/3, 百分率では67%, 打率6割7分のオナニー率でございます。

まあいくら打率が高くても質が悪けりゃあかんのですが、このゲームのオナニーは質もバリエーションも素晴らしい。以下、オナニー回想のあるヒロインそれぞれについてプレイした順に紹介。


まずシャーリィさん。金髪ロングの圧倒的な見た目。あんまり黄色っぽいのよりこのくらいの髪の色のほうが好きですね。シナリオを全体的に見るといまいちだったり、オタ要素がうざかったりといった欠点が大きいのでそこまで好きではないんですが、オナニーのためだけに存在している8章は圧巻。

簡単に言うと、初恋の病気にかかってしまってえっちな気分が止まらないシャーリィさんが外敵の妨害にも負けずたった一つオナニーという目的に向かって突き進むというチャプターです。最大の敵はシャーリィさんの実兄。妹がオナニーしようとしてるところにノックしてくるお兄ちゃんがエロゲにいていいのだろうか。というかあいつはそんなことだから主人公になれなかったに違いない。こちとらヒロインのオナニーの気配を探りながらプレイしているような部分があるので、ヒロインがひとりになってドキドキしはじめたりしたらもう「チャーンス…?」とか思うわけでどんどん興奮が高まり始め、まさにシャーリィさんの手がこかんに伸びるぞぉぉおといったところで邪魔してきやがる。シャーリィさんは欲求不満。俺も欲求不満。これが繰り返されることによって俺とシャーリィさんの目的も欲求不満度も同期していくわけです。そうして溜めて溜めて溜めすぎだろうと思った絶妙なタイミングでの教室でのこっそりオナニーのカタルシスといったら尋常なものではないです。

なお、シャーリィさんはこれが初オナニーだったそうです。将来が心配ですね。


続いてセリアンスローブのハーフである真咲さん。この娘のルートは凄い。後半いまいちですけど、このゲームで一番好きな2つのルートのうちの一つですね。もう一つ好きなティア先生のルートは、綺麗とか上手いとか表現される類の良さだと思うんですが、真咲さんのはなんかよくわからんが凄くかわいい。プレイしてるとかわいい圧がぐんぐん高まってきてもうだめギブかわいい…といったような感じ。挙げるとすれば、声優さんの声と、あとは言葉が次第に減って「わふ」が増え、終いにゃ「わふ」と頭を撫でるしっぽを振るくらいしか存在しなくなるところですかね。他には、、Hシーンで地の文の硬さに不釣り合いな頭のわるい会話文を持ってくるバランスも絶妙かなぁ。よくわからん。が、かわいい。

この娘のオナニーは若干惜しいですね(なぜ上から目線。オナニー評論家みたいなことになってるな…)。真咲さんすぐオナニーしちゃうのでこんなんじゃいけないと反省してオナ禁するんですよ。まあ、哀しいことではありますがここまでは良いです。問題はこっからの展開で、俺は真咲さんの前に「外部との闘いに打ち勝ってオナニーを完遂したシャーリィさん」を見ているので、ついついメタな視点に立ってしまいまして、さてはこのオナ禁は「自分との闘いに負けてオナニーしてしまう真咲さん」への振りだろうと妄想しちゃったんですよね。で一人で素晴らしいおなにーゲーだ!とか興奮してたら実際には主人公がカッコよく告白とかしちゃってセックスしてしまうという……。ていうかそもそもテキスト的にシャーリィさんとライター違うだろ気づけ。


ラストは夕音さん。この娘はただひたすらエロい。シナリオは特に7~8章の主人公の「いい先生」っぷりが鼻についてイラッとくる(一回中断して別のルートやった)んですけど、そこで夕音さんが主人公に惚れて以降は初♡恋のターンが開始されるので問題ないかと。女学生(なぜかこの表記があってる気がする)の妄想が迸ってちょっと大人ぶって大人の男である先生をからかいたい感じもなかなか。子供っぽさがでるのはもっとずっと少ないほうがよかったりしますが。

で、この娘のオナニーなんですが、主人公の匂いがおかずです。COOKPADとかで定番のおかず検索したらトップにくるやつ。まあ匂いの元にもいろいろありまして、パンツがいいとかいや靴下だとかばかやろうシャツに決まってんだろとかで喧嘩してる着衣派とか、布団に決まってんだろ包まれ感が違うだろとか枕ナメんな雪さんだぞのベッド派とかいろいろありますが、夕音さんはどうやらおかずは二品用意するいいおよめさんらしく、主人公の汗くさいジャージと主人公の枕を同時にチョイスしてくれました。なんか泣けてきた。しかもジャージは密着感を重視して自分の素肌に直接着て、枕も密着感を重視して自分の こかん に ちょく せつ (ここで文章は途切れている

しかもねー。夕音さんは賢いので主人公が淫行教師になっちゃうのを気にして、告白しないように恋心を押さえつけようとしてたんですけど(それもあって溜まった欲求がこのおかず二品オナニーに繋がった)、このシーンで「そうなったら(オナニーしてるの主人公にバレたら)、私は自分の気持ちを言えるのかな?」 とか言いながら主人公の枕に告白するように(実際にはこかんを擦りつけている)オナニーします。この辺の情念のこもり方もよかったですね。

なお、その後同じ枕で主人公は快眠したようです。早朝に自前のおしっこアラームで目覚める俺に謝るといいと思うよ♪


むっつりスケベのティアせんせいについても書きたいところですが長くなったしオナニー回想ないのでこのくらいで。数えてみたらこの文章中に自慰行為を表す文字列が33個もあるそうです。1時間半もかけてなにやってんだと思わなくもない。

2013/07/31

気が向いたので日記。

今週なんかやたら体調が悪い。左目痛いしげっぷしたら胃液逆流するし背中張ってるし下痢で尻の穴も痛い。満身創痍だ。だいたい下痢なのにケツの穴が痛いってなんだ。硬いうんこで傷めつけられるのならまだわかる。因果関係が逆なのか。ケツをディフェンドするために賢い大腸くんがうんこをさらさらにしてくれたのか。君の気持ちは嬉しいがうんこ行く回数増えたせいで尻拭くたびに痛いからお気遣いやめておくれ。ウォシュレットはない。

といった感じで不快指数の高い症状ばかりが出ていてそこそこつらい日々を過ごしています。体の調子が悪くなるとやっぱり規則正しい食生活して運動して健康な肉体をとか思うんだけど、運動する時間はない。時間は24時間平等だ動けデブと言われても、運動らしい運動する隙はないのでやるならながら運動くらい? ちょっとした移動でモデルウォークみたいに歩けばいいのかしら。気持ち悪がられるだろうなあ。そういや昔NHKの語学講座とかに出てそうなウォーキングインストラクター(?)いたけどあの人は今どうしてんですかね。どこかで歩いていてくれることを祈ります。

などとつらつら考えた結果、食事くらいはなんとかせねばという結論に達しました。まずラーメンを減らす。ラーメン100店巡りがもうすぐ終わるのでそしたら少しは落ち着くはず。たぶん。あと今日の夕飯はシュークリーム5個とかそういうのもやめる。一昨日やって反省した。あとでっかいアイスとかもだめだ。お砂糖で出来ていいのはおんにゃのこだけである。

そういや昔は世の中のひとびとが健康に気を使ってるのを見て「そんなに長生きしたいのかあさましい」みたいなこと考えてたもんだけど、完全に的外れな考えだったなーと。長生きとかそういうことじゃなくて、今の体の状態を健康にしたいという一念。自分の脳内にあるベストな自分を100としたら今30とかそんなもんで、これをどうにかしたい。

長生き無視して健康にというと、怪しげなお薬が思い浮かぶな…。栄養ドリンクとかでもいいのか。でも肝臓弱ってんのでこれはNG。

まあとりあえず盆休みまでは精神に栄養ドリンク(アイルノーツ)打ち込んでがんばりますかね…

2013/07/15

最近読んだもの

最近読んだものとか。

・さくら荘 10巻
最終巻。まあ良かった。最後一旦離れる理由は全くわからなかったなぁ。読み込みが足りないのかもしれないけど、そこまでの流れはなんだったの? と思ってしまったくらい。仕事と恋という話と、卒業にかけて子供から大人へってことを書こうとしてたのはわかるんだけど、折り合いの付け方が大人になるまで(大学卒業まで)一旦離れるってのはいやそりゃそうだけどそれでいいのん? って言いたくなっちゃう。欲張ってしまえば良かった。上手くいかないことや会えない時間が増えることや、二人がそれで喧嘩したりすることも含めて、好きだということが変わらないと言ってるんだから。

でもまあそれなりに満足です。ましろの可愛さは結局わからなかったので、そこハマればもうちょい好きな作品になってたんだろうとは思うけど。七海は好きでしたね。もう少しズルくて、空太が自分に一番やさしくしてくれた瞬間を、意図的に創りだしてしまうようなヒロインだったら結果変わってたんじゃないかなーと今でも思う。ただそれやっちゃうと七海の芯のところが全然違っちゃうので、結局、空太がましろに一目惚れしちゃった時点で決まってたんでしょう。

しかし七海も読み続けるには魅力を出していた時間というか、俺が七海に魅力を感じてから空太にフラれるまでの時間はあまり長くはないんですよね。だからたぶん10巻まで読み続けたのは空太のキャラ造形によるところが大きい。若さ、という言葉で象徴される視野の狭さ、自分勝手さ、自他の境界線のあやふやさ。あとは自分に対する潔癖さね。読んでいてかなりイライラさせられる。俺こーいう奴基本的に大っ嫌いなんだけど、「青春」を描く際の主人公としては最適解なんじゃないかなー。

「青春」ってのは事後的に創造されるもので、その最大の特徴はたぶん、選択の正しさに関わらず「選択したこと」そのものが青春色とでもいうべきノスタルジーに塗り替えられてしまうということだと思う。「上手く行ったなかったなー…」でも青春の1ページになってしまう。まあ要するに何もしない、あるいは選択の余地すらない(主人公でない)というのが後悔の根にあるということを言いたいわけでした。で、この小説においては、空太の間違いが、選択したことそれ自体が、青春によって塗りつぶされていく。これを見るのはなかなかそうとう自虐的な快感を伴うものでして、たぶんそんなのが楽しくて最後まで読んだと思われます。いい青春ものでしたね。はぁ…


・ロウきゅーぶ! 13巻
これまた最終巻。全く前告知なかったと思うんですがどうなんだろ。ふつーにびっくりした。作者から中学生はだめだという強いメッセージを受け取りましたが俺は女子中学生が好きです。ロウきゅーぶ!はなんだろう。なんとなく読んでたら終わった感じ。スポーツエンタメとして面白いけど、ヒロインについては智花がかわいいかなーくらいなもんでしたね。あと初めのほうがバスケは面白かったと思う。成長しちゃうと普通のバスケになってしまうので仕方ないけど。


・「庶民サンプル」 1巻
なんか読んでるラノベがあまりにもファンタジーに偏ってきたので5巻くらい続いてるラブコメ買ってみようと思い立ってオタリア1巻と同時に購入。お嬢様学園に庶民の主人公が異物として転入させられるドタバタハーレム。メインヒロインのお嬢様感が足りないですね。まあ面白いっちゃあ面白いけど引っ掛かりが足りなかったので1巻で中断しました。


・オタリア 1~7巻
これは面白い。つーか俺こういうの大好きなのね…。リア充になりたい隠れオタ主人公とイケメンオタクに恋するギャルヒロインが互いの目的のために協力関係を結んで~、という展開。まあ当初の目的忘れてお互いに惚れてしまうんだろうと予想しながら読んでいくわけです。自縛的になって自分の気持ちがわからなくなって結局暴発するのを期待したりしつつ。今のところ予想通りに進んでるっぽい。暴発はまだ。

ちなみに桃派です。桃の主人公への気持ちは決して明示的に書かれないんですが、それを妄想させる手法が上手い。例えば文化祭の歌詞とか。あとは主人公の気持ちが長谷川さん(非オタ)ではなく、もう一人のヒロインの小豆(オタク)に向かってしまうと協力関係が維持できないと(無意識に)感じて主人公の気持ちを長谷川さんに向かわせるのとかも。小豆に優越した際に罪悪感を感じてしまっているあたりも良かったですね。桃の無自覚に発揮される独占欲を読者に想像させてくれやがって…。あとゴールポストは2個あるんだよ?(この辺になると若干テキスト無視し始めてる感がある)

もうちょっと尖ってたほうが好みですが、マイルドなぶんエンタメ性能が高い良作ですね。桃が感情を漏らすシーンを期待して8巻を待つことに致します。

2013/06/14

ほれみたことか!

伏見つかさ氏のインタビュー記事みてたらテンションがあがってきたでござる!

記事はこちら↓
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51398941.html

該当部分引用すると、
桐乃を幸せにするエンドにしようと決めた以上、彼女の今後には、可能な限り良いレールを敷いてやらなくてはいけないし……非常に悩みました。結果は、読んでいただいたとおりなのですが、再読する方向けに、蛇足ながらコメントさせていただくと、 
・「完全なる桐乃エンド」 
・「最初の人生相談と同じように、兄妹は、二人だけの秘密を抱えて終わる」
12巻は、そんなお話です。
ふはははは! ほれみたことか! ただの兄妹になど戻ってないのだ!

だいたいそもそも『秘密のお願い』の内容が読者に明かされているだなんて誰が言ったというのか。ラストが『秘密のお願い』の全てだと思ったら大間違いである。「二人だけの秘密」を抱えて終わったのです。それは何かと言えば二人はもはや新婚♡兄妹だというわけです。うえっへっへっへ。

証拠はまだまだあるぞ♪
主人公二人については、今後も大変だろうけど
ですよね! だって二人だけの秘密抱えちゃってるわけだし? 今後はこっそりいちゃいちゃしちゃうわけだし? 桐乃かわいいし? 京介のこと好きで居続けちゃうし? ひひ。

アニメBD1巻の特典小説「十年後の再会」では秘密を抱えつづけてより熟成された十年もののお兄ちゃんだいしゅきオーラが桐乃から香りたち滲みながれているに違いなくああ早く飲みたい……

***

と勢いこんで書いて「今日は実に良い日である。わしは気分がよい」などとゴキゲンな状態でRSS消化しようとしたらこんなニュースが即座に飛び込んできてしまったようです。

http://otanews.livedoor.biz/archives/51949655.html

二人だけの秘密もいいけど、俺にもちょっとだけでいいからおこぼれをいただきたかったのです……

お幸せに…ね…

***

(追記)アニメ14~16話見たところ、物語中にある「二人だけの秘密」は物語内で明かされてた通りで、引用部分の「二人だけの秘密」は別のものを指してますね。16話で桐乃から指輪を返されたときの京介の表情からすると期間限定恋人が元々の秘密だというのは間違いないでしょう。で、引用部分の「二人だけの秘密」は最後に京介が語るエピローグに見せかけたプロローグ(あそこで指されている物語は二人の今後のこと)の先、語られない物語。

2013/06/10

竜華さんかわいいじゃねえか…!

阿知賀編16話見て一気に竜華さんが好きになってしまったようです。

もともと怜が大好きだったわけですが、カップリング相手の竜華さんには全く気を払わずに最終話まで見てたんですよねえ。ひっじょーにもったいないことをした!

竜華さんほんともう怜がいないとだめすぎてかわいい。怜が「三順先や」とかやってるときとか15話で怜とのカップリング超能力とかやってるときとか片鱗は山ほどあったと思うんですけど、16話がほんとにひどくて一気にやられてしまいました。りゅーかさんハナから怜だのみだし怜の力かりないと全然和了れないし怜パワーかりれなかったときに「怜っ」とかいって寂しそうなどうしていいかわかんない感じの顔しちゃうし情けないったらない…!

こんなダメな娘が大将で名門千里山高校は大丈夫なのだろうか……。

まず先にカップリング相手の怜について触れておくと、怜のかわいさってのは彼女が倒れそうになりながらも彼女のプライドのありかに寄って真っ直ぐ立っている姿に圧倒されるってのが大きな理由です。それでいて竜華に膝枕してもらってぐでーっとしてたりとか適当にボケたりとかわざとらしく拗ねてみたりとかいろいろあるんだけども。基本的にはこちらは地べたにへたりこんで怜を眺めて圧倒される、という形式で怜を好きになってるわけです。

一方で竜華さんのほうは、よだれだらだら流して口開けながらじゅるじゅるいって見てる感じ。同じかわいいという言葉でもぜんぜん違う。まさかあんなにダメな娘だとは思っていなかったのでなおさら…。なんかキリッとしてるしなんだかんだ名門千里山の大将ですし平均得点が高いとかなんやらアナウンスされてましたしてっきり怜クラスの自力でいい勝負してくれると思っていたらあれだ。まさか咲の世界でZONEなどという普通の能力が見れるとは思ってなかったよ。。

つーか怜が戦ってるときはなんかセーラと竜華が怜をひっぱってった感じで描かれてたけど、むしろ竜華の怜への依存度がすごいよね。この娘怜がいなかったら麻雀つづけてすらいないんじゃねえか。怜ががんばってる姿を見てようやく自分も戦えるという印象。そうそう、膝枕についても怜がねだって竜華さんは「しょうがないなあ」とか言ってやってるけどむしろ逆で怜が膝枕してくれないと竜華さん物足りなくてぜったい自分で太ももさすって温めて「怜の温度や…」とかやってるよね。要するにオナニーだ。ばんざい。

で、怜はかしこいかわいいのでそんなのは直感的にわかっていてあの形になっている。あるいは両者が奇跡的にマッチしている。後者のほうがいいけど、この辺はまだよくわかんないっすね。

ともあれ「怜ぃ」って呼びかける竜華さんの声の依存を予感させる感じはとても素晴らしいと思います。どっちも好きなカップリングはやはり良い物ですなあ。
俺妹の感想みてるとイライラしてきてツイッターで荒い言葉がでそうになってよくない。俺以外があの子をいじめるのは許さん!状態である。というわけでこっそり書くことにする。

まず、実妹だからといってキモいという理屈が謎。あんなもん単に社会サイズにおける近親/その他比の問題でしかないんじゃないの。マイノリティーきもーいですか実に良識的なことで素晴らしいですね。

まあフェーズ移動してキモいっつーのはいいとしてならタイトルに妹入ってる小説読まなきゃいいじゃん。チャンネル変えたら映っちゃうようなもんじゃねえんだから。本屋いって手にとって買うなりAmazonで検索して数クリックして届いたもんを開封してしなきゃ読めないもんに対して何言ってんだといった感じ。

適当にというにはかなり粘着的にレビュー類読んで文句つけていくけど、まず11巻までの段階で黒猫か桐乃しか残らない。麻奈実たちの立ち位置は物語的に排除されており、あやせは京介の態度において排除されている。12巻で黒猫が選ばれなかったのは、京介が黒猫に対して例えば友達を作ってあげようとしたりしたその想いと同じ方向性で、京介がより桐乃のことを想っていたということ。

誰とも付き合わずに終わったということに対する批判が多いが、批判の方向として正しいのは、期間限定でなくそのまましがらみとかふっ飛ばしてしまえ突き抜けてしまえっていうものしかありえない。前のエントリでも書いたが、桐乃と付き合ってしまい、三年前の事件をもって始まった兄妹の物語を一旦清算するという決断を二人が下した以上、あの先に展開するどのような物語も『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』という物語では語り得ないのだから。

じゃあせめてこの先に期待させろというが、そんなもん一巻から桐乃が「好きであることをやめない」っつてんじゃないの。信頼出来ない語り部をやめた京介の気持ちが残っているってことが明かされただけで充分でしょう。

兄妹感の恋愛を否定した物語であるって何言ってんだろう。じゃあエピローグでキスシーン入れないでしょ…

これまで積み上げたものをぶち壊しってのは本当に意味がわからない。かなり拾ってますよ? ある程度幅を持たせて書いてきたものを11巻で形にまとめて、11巻ラスト2つのエピソードを入れた。12巻で三年前の事件のない普通の兄妹に戻すために櫻井という人間を用意しておいた。黒猫の予言書も拾っている。各人の立ち位置に応じた終わり方があって、その中であくまで主人公が決めた。

各ルート作ればよかったってのは、、何巻からやり直させる気だよとしか……。11巻終了時点からの分岐だと駄作確定だけどいいのだろうか……。

京介が桐乃のことを好きになった理由がわからないってのも多いなあ。そもそも好きになるのに明らかな理由はいらないし、しかも京介が桐乃のことを好きであるということはずっと書いてあった。それが恋愛感情かどうかが伏せられていただけで。彼の好きな相手にたいする好意の現れかたは、例えばかつて恋愛的に好きだった黒猫に対するものや、三年前好きだった相手に対する態度と同じものであるはずで、それは桐乃に対する態度と何も変わらない。それでいいんじゃないの。

兄妹愛だと思ってたのに!ってのもあるけど、それで文句つけるんだったら11巻で文句言ってやめりゃいいのに。妹が兄のことを恋愛的に好きなのは良くて、兄が妹のことを好きなのは異常だという理屈なのかしら。

だいぶすっきりした。寝る。

(追記)
11巻を経てもなお、外挿された理想の「俺妹」と実測とのずれを見て実測がおかしいとか言うのはなんなんですかね。実測に合わせて整合するように解釈しなおしゃいいのに。

2013/06/08

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 12巻 感想(ネタバレあり)

俺妹12巻読了。ネタバレあり

とりあえず、アニメBD1巻を予約しました。言うまでもなく特典小説目当てです。

今の感情を正確に表現するならば、寂しさの中ですがっている、といったところでしょうか。二度目のキスにすがっている。

んー…、まだ脳内ぐちゃぐちゃしてますが、一応感想じみたことを書いていってみます。

まず、前の11巻(感想はこちら)で京介と桐乃、そして麻奈実の過去が明かされたので、物語上の謎ってのはいくつかに絞られてましたよね。京介の好きな人とは。桐乃のiPodとアルバム。エロゲーよりすっごいこと。細かいことだと「りんこルート」、京介が過去に桐乃にあげたプレゼント(ピアスじゃなくて)とかもありますけど。

で、当然ながら京介が誰とくっつくのかっつーのが、最も気になるところだったわけです。実際、今週月曜から平均一日二冊オーバーの勢いで一巻から改めて読み返してたんですけど、京介の言動に対する桐乃の態度よろしく政治家の発言の揚げ足をとるかのように、京介が「自分から告白する」と言ったときの目的語が桐乃である言質を探しつづけたりしてましたし……

読み返してみると、11巻で麻奈実(と加奈子)の可能性は完全に殺されてしまっているんですね。「桐乃と京介をふつうの兄妹にしてから、よーいどん」という方向性が死んで、黒猫(とあやせ)みたいに桐乃のことが大好きだから、桐乃の想いを閉じ込めさせることなく、同じラインで戦うことを選んだものだけが残った。

単に身勝手に動くときの感情の強度ではなく。自分にとって大切な相手の想いを知ってなお、自分の想いを捨てられない。その身勝手さに呆れ果た人間が、自分を「仕方ない」と苦笑いしながら動いてしまう、その強度こそが問題にされていた。これは「凄いお兄ちゃん」から「かっこ悪い兄貴」という文脈と同じもの。

11巻の最後、12巻のプロローグで予言されていたとおり、あやせが告白し、黒猫が告白された。そんで、自分から告白すると決めていた京介が動いたクリスマス。桐乃の「はい」。現実と妄想の区別がつかなくなったのは俺のほうだっつーの。

その後、二人の人生相談あたりは流れとしてまあ綺麗。近親相姦もののよくある展開を繰り返すのはだるいと感じもしたけど、その中で、京介と桐乃の問題は(よくあるものだとしても)彼らだけのものであると言っているのは良い。凡百の兄妹ルートを全て讃えている。ちょっと嬉しくなったかな。

麻奈実のくだりはメタメッセージがうざいので置いといて、京介と桐乃のキスシーンは奇跡を眺めるように読んでた。そして奇跡の終わり。エロゲーよりすっごいことっていう言霊が、さっき言った兄妹ルート賛歌で消えてることを願ってたんだけどなあ。ただこれが人生相談への二人の回答で、だから怒り狂うとかそういうことはなかった。そりゃあ寂しいけど、この二人の決断に口を挟めるほどのものを俺は持っていないから。

エピローグ。普通の兄妹に戻った二人。楽しそうに秋葉原で遊ぶ桐乃。これで終わっていてくれたら、と思うこともなくはない。読み終わってしまっているのでそのときの俺の反応はもはやわかりゃしないんだけど。A判のご褒美としての「お願い」を使った二度目のキスなんか見せられたらさあ、この先を期待してしまうがな。

「凄いお兄ちゃん」でなく「今のかっこ悪い兄貴」を改めて好きになって結ばれたように、「普通でない兄妹」の恋物語でなく「普通の兄妹」の恋物語を見てみたい。語義矛盾であろうとも。

だってさあ、桐乃は「好きであることをやめない」んだよ?

(追記)
今朝起きて読み返してた。エピローグは、「普通の兄妹」に戻った二人の恋物語が始まるプロローグだと認識することにしますそうに違いない! 一度目のキスシーンで終わった劇的な兄妹ルートには、桐乃がこれまで京介にプレイさせてきたエロゲと同じように結ばれた先はなくて、二人は普通の兄妹に戻ってしまったんですが、これは三年前の事件がなかった(五年前のは残っている)ときに外挿される二人の形と同じものです。例えば、櫻井のエピソードをわざわざ入れたのも、三年前の事件を解消する必要があったから。そう考えるとあの「俺たちの闘いはこれからだ!」ENDもしっくり来ます。だってこの先の普通の兄妹の恋物語は、三年前の事件を起点として持つ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』というストーリーラインでは語り得ないものだから。

といった感じですっきりしたんですが、普通の兄妹の恋愛物も読みてえ……。作者さん次回作書いてるらしいですがタイトルは『俺の妹がこんなに可愛い』とかですかね。ああ実に楽しみだ…

(蛇足)
ネットで感想あさってたら、京介が惚れる理由が薄いというのがありましたが、これについては、彼が黒猫と付き合っていたときに「好きなやつの前ではかっこつけたい」と言っていることが全てでしょう。かっこつけ方は変わっていったけれど、彼がこの物語を通じてずーっと、一番かっこつけたかった相手は桐乃ですから。その相手が実妹であったというだけで。

2013/05/23

なつくもゆるるとギャングスタ・リパブリカとサンタフル☆サマーの体験版ダウンロード終わるまで暇なので日記を書くのです。ひさびさである。

いぬぼく9巻買って読んだのでその感想というか頭の整理から。本筋以外の部分が半分くらいで、その中では夏目のやつ良かったですね。ああいう態度は好きです。

本編については、これまでりりちよさまA(アニメ部分、一章)→りりちよさまB(23年たって転生したほう、二章)ときて、二章の最後にりりちよさまBとみんなが過去にタイムカプセル送って歴史が変わったのでりりちよさまA'のお話になってます。あいかわらず記憶力ないので電車の中でこんらんしてたんですけど、未来から過去へのタイムカプセルはちょうど一章でふつうのタイムカプセル遊びやろうとしてたときに発見されたので、こっから歴史が変わってしまったと。だから手紙が双熾に届いてしまってからの告白シーンなんかはなくなっちゃった。つまり、りりちよさまのはじめてのチュウはまだなわけだ! 双熾くんかわいそうですねえ(うれしい)。

まあ真面目な話、このA'ラインでは一章でりりちよさまと双熾の果たせなかった約束(りりちよさまが淹れたコーヒーを双熾が飲む、という他愛のない約束)の扱いが気になる。二章で過去の記憶を取り戻したりりちよさまが別の双熾に淹れてたりして作者が気を遣ってるのもあって、注目して読んで行こうかと思ってます。

今後の展開については百鬼夜行うんぬんは置いといて、何だかんだ言ってりりちよさまと双熾は、たとえ歴史が変わってもやはり結ばれるのは当然だと思う(丸くなったな俺)ので、一章での結ばれ方との差異ってのをどうすんのかってのが一番気になるところですね。ハプニングから展開していっての劇(薬)的な告白シーンじゃなくて、コーヒー淹れて双熾が飲んで二人で笑って少し苦いはじめてのちゅうって書いてるうちに嫌になってきた。双熾くんはしねばいいと思います。終わり。

あとなんだっけ。最近話題のやつの雑感とか。あれ結局店主じゃなくてエレベーターなり段差なりにキレてりゃ何も問題なかったんだよね。あるいは必殺、政治が悪い!とか。

最大の違和感は、他人に要求したということだと思う。ココロのバリアフリーが浸透したやさしい世界ならうんぬんとか言ってるひともいたけど、それたぶん最悪の道だから。気遣う必要すらない、という理想像を追っかけて、考える時間とか負担を減らすシステムっつーもんが作られてここまで来たわけで。例えば俺がしゃべれなくても、こうして文章を書いてそれを読む関係においては対等になれる。ふつうのバリアフリーっつうのはそういうもんでしょう。心に押しこんだほうが歪みが出る。くそ忙しいときに優しくなれないし、重い荷物持って両手塞がってるときに婆さんの荷物持てない。それを持つのが正しいあり方だとされたとして、内心不満たらたらで繕ってる社会なんて怖くてたまらんがな。システム化して楽をして、手助けする必要すらないように差をなくしていく。そういう方向と真逆の発言だったってのがみんなイラッときた原因なんじゃないのかしらん。少なくとも俺はそうだった。

他にもいろいろあった気がするけどレッドデータガール見てたら深行くんがすごく美味しい焼き餅やいてくれて満足したのでおしまい。体験版やろーっと。

2013/04/29

『運命予報をお知らせします』 感想 (ネタバレ無し)

ついさっきプレイし終わりました。素晴らしい作品です。デビュー作だとか今月もう一本買って先にプレイした少女神域なんちゃらが非常にダメな感じだったとかで評価が甘くなっているわけではなく。Lassは次出ても絶対買わないからな! あ、ヨナキウグイスさんは積極的に買っていこうと思います。

たぶんそんなに売れてないと思うので頑張って重大なネタバレ無しで宣伝したいと思います。できるかなあ。\お兄ちゃん、頑張って!/ ……こんなん書いて余計自信なくなってきた。(4/30 追記:おなにーバレ注意!)

一言で言うと、ごく普通の舞台で、真っ向から「本当の恋」なんていうド直球のテーマを見事に描ききった作品です。ひどく理屈っぽい主人公を据えて、ルートの構成もかっちりしていていながら理屈のみで終わることなく。かといって「細けえことはいいんだよ!」というだけに陥ることもない。絵とか演出が弱いかな、とは思いますが、それでも充分すぎるほどの力作であることは間違いないっすね。

さて、簡単に紹介します。物語の舞台としてはただの学園ものです。魔法とか特殊技能を学んだりはせず、男女共学の普通の学校。その中で主人公は学園の執行部に属すことになって、そこにいる4人の女の子がヒロインです。この執行部も別に巨大な権限を持つことはなく、変わったこともしません。仕事と言えば、球技大会とか文化祭とかの裏方くらいなものです。

ヒロインも、実妹の光、クラスメイトの夕紀、先輩その1の観月、執行部会長の夏帆、の四人で空から降ってくる少女はいません。あくまで普通の舞台ですね。かといって読ませる力がないわけではないです。掛け合いが楽しい、というか金髪ロリちょろいダダ甘いじって面白可愛い観月せんぱいがとにかくかわいいので彼女を見ているだけで読んでいけます。ちなみに観月せんぱいルートはロリ少女に理屈っぽい主人公が叩きのめされるベストルートだと思います。過去の真相は強烈ですし、圧倒的な優しさっつうもんも見せてもらえました。体験版感想で西尾維新的ツンデレなどと評したことを深く反省する次第であります。

そうそう、ルート構成も上手いです。デビュー作ということで俺みたくライターさんの同人作品をやったことない人をスムーズにのせてくれたなーと。このゲームの構造は、基本的に時系列に沿った一本のラインがあってその途中で各ヒロインのルートに分岐という形になってるんですが、まずはごく普通のエロゲ妹に見える光ルートへの分岐に向かって展開します。この非常に慣れ親しんだタイプのキャラクターへの道で、次第にプレイヤーに違和感を抱かせ、何が真相なのか不安にさせていくのは上手い。あっこのゲームは普通に見えるけど何かあるぞ、と思わせてくれます。

選択肢は構成に従ってシンプルに3つ。光を選ぶか。夕紀を選ぶか。観月/夏帆のどちらを選ぶか。選択肢が出る場面が特徴的で、前者二つは「選ばない」ほうが"物語上自然"な状況で選択肢がポップアップされます。ただし、メインがあってサブ的に他のヒロインのルートがあるといったわけではないのが良いところです。まず光ルート選んで貰えればわかると思うんですが、選択肢時点においてそのキャラを選ぶことの隙をしっかり個別ルート内で問題として取り扱い、きれいに解消してくれます。この辺はかなり丁寧。理屈っぽいともいいますが。

また、この構成だと当然ながら最後に行くに従って「選ばれなかったヒロイン」が増えていくことになります。しかも"物語上自然"に。さて、わざわざダブルクオーテーションつけましたが、"物語上自然"って何だよって話なわけで。例え選ばれないことが自然であったとしても、「選ばれなかったヒロイン」の恋心は確かに存在していたはずだろう、と。その扱いはどうするんじゃ!と心優しい僕ちんなんかは思ってしまうわけです。

この恋心の取り扱いについては夏帆せんぱいルートでしっかり描かれます。この作品の見事な点の一つでしょうね。まあそのせいで夏帆おっぱいルートなのに観月ちっぱいのほうが魅力的だという困った状態になってたりもするのですが、観月せんぱいがかわいすぎるのでしょうがないかと。ちなみに観月せんぱいはおなにーを覚えたそうです。性徴物語って素晴らしいですね☆

こんなところかなー。宣伝になってるのだろうか…。ともあれ、がっぷり四つの恋愛賛歌で読み応えもある非常に良い作品でした。大変に気分が良いようです。

あー明日しごとしたくねえ……。

2013/04/07

『向日葵の教会と長い夏休み』 感想

ようやくひまなつ全4ルートプレイし終わったので感想を。

とにかく力入れて作ってあるなーというのがまず。音楽とか、一枚で有無言わさないような絵とか。これらは文句なしに素晴らしい。テキスト読む手が止まって呆けたようにCG眺める時間がかなりありましたね……。

シナリオについては、複数ライターさんで各ルートいろんなテーマを書いているにも関わらず『向日葵の教会と長い夏休み』から外れることはなかったと思います。まあ主人公のキャラは数人いましたけど、ほとんど悪印象は受けなかったかなー。

ほんじゃ各ルートについて。プレイした順で。ちなみに推奨攻略順は金剛石→ルカ→詠→ヒナだそうです。ただこれは「伏線的には」という注釈の下でということなので、個人的には別にどっからやってもいいんじゃないかと思います。以下ネタバレあり。長いな……。





まずは詠ルートから。このルートは2番目に好きなルート(1番はダイヤ)です。前のエントリで駄文を垂れ流しましたけど、基本的には物語を読むことしかできなかった少女とその少女のために物語を紡いだ少女(と少年)の話だと思って読んでました。章変わって黒猫視点に移って、黒猫が今の詠(詠2とでもしておきます)であり、物語の語り部である(視点も彼女に移る)と認識した辺りで一気に引きこまれました。俺てっきり昔の詠が死んで黒猫に乗り移ったとかそういう話だと思ってたので……。

読んでるときはとにもかくにも、読み手の少女(こちらが詠1)の「おとぎ話だけでいいんだ」という言葉にただの読み手でしかない自分を重ね合わせて、彼我の距離に勝手に打ちひしがれるような、詠に憧れるような、そんな感情を抱いてました。彼女が本当に幸せそうに、物語を紡ぐ少女(詠2)に感謝の言葉を述べて消えるシーンはとても美しい。俺には後悔しない自信などない。

ただまあ、この読み方は間違いです。俺が勝手に誤読して勝手に打ちひしがれていただけです。あたしってほんとばか。というのも後半、詠1は主人公にかつて自分では言えなかった別れの言葉を伝えるために再登場するので。この物語は、あくまで物語を紡ぐ者、言葉を使う者たちのお話です。

元黒猫の少女が、主人公を悲しませたくないと願って言葉を得て、物語の舞台から降ろされてしまった少女に、物語を紡ぎ、届けた。

登場人物でなくなってしまった少女は、元黒猫の少女によってかろうじて物語とつながっていられた。ただ、せめて別れの言葉だけは、自分の言葉で届けたいと願った。

そして主人公が3人のつながりを願って、わずかな奇跡が訪れた。

そんな話だと認識してます。3人は言葉でつながり、言葉を伝えたいとそれぞれが願った。ここで描かれているのは言葉に対する信頼あるいは信仰のようなものだと思う。この思想に対する好き/嫌いは置いておいて、面白いテーマでした。俺は基本的には言葉の力などというものは信仰しませんが(おい)。

あとは…まさかのEDまでHシーン0。さいろーさんが担当だと聞いていたのでけっこう驚きました。エロローグで一気に補完されましたが、エロだけ連発されるとかなりつらい。おいたんそんなに元気ないので……。あと尻タブレットはあれどうなんですかね。笑ってしまってエロさ減退効果しかなかったと思うんだけど。だってさぁ、Hシーン読みながら、タブレットにおしりのCGを大写しにして文字書いて遊んだら楽しいんじゃないかとかくだらないこと考えてしまって集中できないんだもん。あ、タブレット持ってて性癖が合う方がいらっしゃったら幸いです。


さて、次は雛桜ルート。要約すると、こどものままでいてほしかった……。このルートはこども編と大人編に分かれた構成になってます。こども編はヒナを引き受けて共に暮らすことを決意するに至るまで、大人編はヒナが成長して学生になったころから始まって2人が結ばれるまでです。

こども編はかなり好きです。つーかツイログ見てたら俺のテンションおかしいですね。ヒナが一向におおきくならないので「さてはボケて幼児退行したロリババアだな!」とか叫んでるよ……。ヒナにごめんなさいしないといけないね……。でもさぁ、ルート入ってんのに、自分でパジャマ着替えられなかったりしたらこのまま行ったら大変なことになってしまうわけでなんとか整合性を俺の中で頑張って考えた結果なのです。ごめんなさい。

基本的にヒナがかわいいので楽しく読めます。お嫁さん気分なこどもとか素敵すぎる。この夫婦、奥さんのおねしょが原因でけんかしてベッドを別にしたりするそうですよ。初めて結婚したくなったわ。

シナリオも良い。流れとしては、ヒナも主人公も(ルカもですが)実の親に育てられていないって境遇で、そこをテーマに家族の話を核にして展開します。ただ、ここが重要なんですが、主人公がヒナを捨てた親に対峙するのだけれども、問題は解決されないし、ヒナを捨てた理由すら明かされない。

これは良かった。子供は親を選べないなんて当たり前の話で、どうしようもなく捨てられた。理由があろうとなかろうと、選ぶこともできず結果のみを突きつけられた。それは暴力でしょう。ならば、理由すらも知る必要はない。知ったところでどうにもできないのだから。

ヒナが子供であるというところをちゃんと意識して書いてあるということですかね。テキストも詠ルートはちょっと気障すぎに感じましたが、こちらはそんなこともなく。

あとはこども編だから回想になるようなシーンはないものの、お風呂で髪洗ってあげるシーン(なぜか向かい合っていて、シャンプーハットという素晴らしいアイテムにより目を開けることができるようになった(えらい♪)ヒナの上目遣い下目(ちんこの方角)遣いが堪能できると評判です)とか、添い寝おねしょとかがちりばめてあってぼくはまんぞくです。

それはそうと! 添い寝おねしょって寝相悪いこどもだと寝ているうちに上下逆さになったりするので主人公の顔のあたりにおまたが来たりして顔面おねしょとかになる確率がかなり高いのではないか。データが欲しいというかそういうのがあるエロゲやりたいです。

一方、大人編ですが、こっちのメインストーリーはいらなかったんじゃないかしら。こども編で解決されなかったヒナの親(主人公の育ての親でもある)の問題がここでまた蒸し返されて最終的には解決されるんですけど、そんなもんどうでもよくないか、と。あの問題はヒナが選択できる人間という意味での大人になって初めて解決可能なものだという考え方はいいです。でも、解決可能であるからといって解決する必要はない。

主人公とヒナが新たな家族を生む(最後、家族4人のCG)ためには、呪いを断ち切る必要があったというロジックは理解できるし、綺麗な構成なんだけど。たぶんねー、俺が見たいのは、呪いを断ち切らずに祝福の子を生むようなお話なんですよね。

ちなみにメインストーリー以外は基本的に楽しんで読ませていただきました。父親代わりの主人公がドーテーなんじゃないかと心配するヒナさんは娘の鑑です。今や「おとうさんって、ドーテー?」は娘に言われたい台詞No.1の座を占めていると聞きました。

あ、そういえばヒナさんが部屋でこっそりオナニーしてるシーンがないという重大なバグがあったんですがあれはパッチでたのかしらん。オナニーに興味を持ってローター買ったのが主人公にバレて家族会議に発展するシーンまであったのに……。下敷きにもなってるのに……。


だいぶ長くなってきましたが続いてルカさん。これはいまいちですかねー。このルートはED直前のHシーンのために全てのストーリーが存在してたという認識です。試しに俺主観でストーリーをまとめてみると次のようになります。

えっちなルカさんは自分ばっかり主人公をおかずにオナニーしているのが不満で(おお!)、主人公にも自分をおかずにオナニーしてほしい(おおお!!)という願望が爆発してついつい妄想エロ小説を書いてしまってました。その妄想が青バラ(そういうキャラがいるのです)によって自分のエロ写メが主人公に送られたおかげで予期せず現実になっていたことを知って喜ぶ(よし!)。そんでED直前のHシーンで、主人公がルカの目の前でルカをおかずにオナニーをし、主人公はルカに「俺をおかずにオナニーしろ」と言ってめでたしめでたし。

最後の台詞に至ったときにはストーリー展開の意味が全て腑に落ちてけっこう感心しました。ただあんまりエロくないんですよね。エロシーンのテキストが合わなかったせいかなー。


さてようやく最後。金剛石ルート。自分でもびっくりしたんですけど、このルートが一番、しかも圧倒的に好きです。いつものように「なんかおっぱいでかいし背も高いしなー」とか思って後回しにしてたんですが、はじめてのオナニーに至る瞬間を切り取った名シーンはあるし、ダイヤさんはやたらとかわいいいきものだし、そして何より、永遠を信じさせてくれる「幸せ」というものが書いてあった。

ストーリーは他のルートに比べたらベタでありふれたものですが、素晴らしい描写を伴ったシーンがいくつもあります。

夜の川辺散歩で、よくわからない自分の感情をごまかして相手に対するところから始まり、ファーストキスの直前、空き教室に訪れた気まずさを伴わない沈黙。音がなく空気が止まったような密閉空間。相手と同じ感覚を共有して境が見えているにも関わらず曖昧に思えるような時間。

阻むものを乗りこえた後、ベンチに座ったダイヤに膝枕されるシーン。時間がゆっくり流れている。全てを伝えあう必要もないから、言葉は徐々に消え、眠りに落ちていく。詠ルートでは主人公は自分のことを「幸福者だ」と宣言したが、金剛石ルートでは「幸せ」は音のない一枚の絵に集約されている。

彼らの幸せをずっと眺めていたくなるルートでした。このルートやると、なんだかますますエロゲやりたくなりますな。


次は何をやろうかしら?

2013/04/02

『向日葵の教会と長い夏休み』 詠ルート 感想、じゃねえなこりゃ…

『向日葵の教会と長い夏休み』 詠ルートの感想、じゃなくてポエムと自分語りです。これはひどい。まだましな感想はこちら


***


このルートの登場人物は三人。二人の語り部と、一人の読み手。

語り部の少女は、かつて「言葉」を持たなかった。同じ地面に立つ登場人物であるにも関わらず、聞くことはできても伝えることはできなかった。ただもどかしさを抱えて立っていた。

読み手の少女は、かつて「言葉」を持っていたが、同じ地面に立てなくなってしまった。登場人物でなくなった少女は、語り部がいなければ物語に触れることすらできはしない。彼女は物語を失ったのだ。

二人の少女が再会したとき、物語を失った少女が願ったのは、失われたはずの物語。登場人物になれなくても、おとぎ話を聞かせてほしいという我が侭。その願いを叶えるために語り部が生まれた。

二人の少女の関係は、読み手が消えて、語る意味が無くなるまで続いた。ただの我が侭で、自分の欲しい物語を語らせ続けた少女は最後にただ感謝する。

物語が終わる。 
幕が下りる。 
だから、■は言う。 
やさしく、そしてうれしそうに……。 
「……今までありがとう」 
「私の物語を作ってくれて……」 
「私が見る事が出来なかった世界を見せてくれて……」

ただ、彼女が読み手として語り部の少女に送った最上級の感謝の言葉は別にある。それは彼女が繰り返し繰り返し語った言葉。

「私が持っていくのは、おとぎ話だけでいいんだよ」

諦めではなく、自嘲でもなく、虚勢でもない。彼女がうれしそうに語る姿は、あまりにも俺の姿から遠く、美しい。

いつか、消える前に、俺はそこに辿り着けるのだろうか。


***


まあ、プレイした方はわかると思いますが、こんな風に読むのは正確じゃないです。ただ、プレイ途中はその後の展開を知らないので、詠のあの言葉に完全に読み手としての自分を重ねてしまって、こんなきもポエムを描いてしまい……反省しております……。すいません……。

自分のなかの理想の読み手、こうありたいもの姿が詠だとして、詠と自分との距離に勝手に打ちひしがれるといった感じですかね。

実際問題、もはや物語でしかというかキャラクターを借りないと感情がめったに動かなくなってる状態でして、例えばえろしーんとかでも主人公が興奮してないとダメなんですよね。状況説明とヒロインの喘ぎ声だけとかだと全く興奮できない。主人公が興奮しているその感情に同期しなけりゃ興奮することすらままならないという。オナニーしててもこれじゃ主人公に憑依して主人公を手コキしているようなもんです。嫌な話だ。

まあ昔からそんな感じだったので、今後もこのまま何かを確認するように物語を消費しつづけるんだろうなーとはわかりきっているし、別にそれに不満とかも特になかった「つもり」だったわけです。ところが、詠の「私が持っていくのは、おとぎ話だけでいいんだよ」っていう台詞を聞いたときに、俺はこんな風には言えないなぁと思ってしまった。俺が同じ言葉を語るときがあるとすれば、それは諦めの先にしかないんだと思う。それがすげえ悲しいなーと。まあそういう話です。

2013/03/17

『運命予報をお知らせします』 体験版 感想

年度末近づいてやたらと忙しくてあれなんですが、雑多な感想でもいろいろ書こうかと思って『運命予報をお知らせします』の体験版の感想書き始めたらけっこう長くなったので1エントリにしました。

体験版自体は、面白いかというとそこまでではないんですが、たぶん購入します。体験版の感想としては、まず主人公は昔ヒロインの一人にフラレて以来他人に自分から向かっていけなくなってぼっちになってるけど、本当は他人と繋がりたくてたまらないっていうようなキャラで、こいつの視点で物語が語られるためにめんどくさい感がすごいです。ヒロインの配置は、主人公の告白を「なぜか」拒絶した生徒会長、西尾維新的ツンデレ、兄が今のぐずぐずの状態から抜け出すことを嫌う妹(!)、ヒロインにひっかからないレベルで「普通な」同級生の少女となってます。まあ、かわいい子はいないです。妹さんは設定だけで見れば凄まじいかわいさを発揮しても良さそうな気がするんですけど、開始早々の弁当シーンくらいですかね。ちょっと怒って昼ではなく放課後に主人公に弁当を届けるところ。一緒に帰ろうという策略である。こずるかわいい。

さて、メインヒロインにひっかかってないくせになぜ買うのかっていうと、自称他称ともに「サブヒロイン」の林檎さん目当てです。他人を求めているくせに踏み出せなくてグズグズしてた主人公が唯一まともに会話できてた相手で、この娘は主人公とは違い、他人を完全に無視している。正確にいうと同じ物語空間に存在していない。発言のメタメタしさもそうですし、「サブヒロイン」だと言っているのもその一環ですね。それでいて主人公を物語の舞台に降ろすために動いたりしているという、なんとも変なキャラです。体験版のなかで、唯一気になったヒロインです。

というか体験版の間は間違いなくこの娘メインヒロインだと思ってプレイしてたんですよね。で、体験版プレイした後作品ページで確認したら、なんかマジでサブヒロインっぽい風に描いてある。例えばこのイベントCGのページ(18禁 http://yonaki.rdy.jp/eventcg.html )を見てみても林檎さんはいません。そんなばかな?と思って作品ページをいろいろと見てみたわけです。そしたらページ上部に各登場人物の視点で物語やキャラクターを紹介するという「MY スイッチ」なるものがある。早速林檎視点にしてみて「ストーリー http://yonaki.rdy.jp/story_ringo.html 」を見てみると……

あたしは、ヒロインじゃない。
あたしは、一介のサブキャラクターだ。
主人公がハッピーエンドを迎えるために、
あたしは役割を与えられているに過ぎない。
だから、最初からあたしのハッピーエンドは否定されてしまっている。
ハッピーどころか、バッドエンドさえ存在しないのだから。
それが、脇役。
それが、あたし。
あらすじなんて、何もない。 

どんなフラグだ。これで林檎さんがラスボスじゃなかったら逆にびっくりするわ! で、林檎さんラスボスだとすると、テンプレート的なメインヒロインの配置も、メタメタしい言動の空々しさも全てが伏線に思えてくる。そうやってこの物語を見てみると、彼女を物語の舞台に引きずりおろすにせよ、物語の舞台に降りてしまった主人公に対比されたキャラクターとして描くにせよ、レイヤー外にいた/いる人間として(できれば圧倒的な一枚のCGとともに)投げかける言葉でぶっ殺されてしまうんじゃなかろうかという嫌な予感がひしひしと。

まあ勝手な妄想ですが、デビュー作でもあることですし突撃してみようかと思っています。先が気になるなー。

***

本編感想(ネタバレ無し)はこちら
http://sagaslave.blogspot.jp/2013/04/blog-post_29.html

2013/02/14

今日の妄想

バレンタインデーは妄想が捗っていいですね!理想のバレンタインデーについて一日中考えていたら以下のようなことになってしまったそうです。

***

いつも通りの道をゆっくり歩いて帰る。先週末に積もった雪は、少しでかい道なら溶けきっているが、除雪のないこの通りにはまだけっこう残っている。

溶けてぐしゃぐしゃになったところをわざわざ選んで歩き、雪が残っていて滑りそうなところでは少し気を張って足を運ぶ。雪道は好きではないが、歩くことに集中するのは嫌いではないかもしれない、なんて考えが浮かんだが、どうでもよすぎてすぐに消えた。

そんな感じでぼけーっと歩いていたら、うちの学校の女子が少し早足で俺を追い抜いていった。習性で顔を上げると、涼だった。なぜか俺に声もかけず、そのくせ歩く速度はしっかり落として、いつものように俺の少し前を歩いている。普段と違い、雪道を歩くときは涼のほうがどんくさい俺のペースに合わせてくれる。

「涼?」

「んー?」

「声くらいかけりゃいいのに。」

「あー確かに。」

会話はそこで途切れて、黙ったまま同じペースで歩く。こいつと一緒になったときは大抵そうだ。ただ、今回はなぜか沈黙の居心地が悪い。理由を探す意欲だけはあるんだけど、傍から見たら呆けているようにしか見えない顔をして、涼の足元を眺めていた。

……

突然距離が詰まり始めた。涼がペースを落としたらしい、と気付いて顔を上げると、約3mが消えて涼が俺の隣にいた。涼の頬が、寒さの中で浮いている。見惚れていたことを自覚して、自然さを装って俺も前を向く。そのとき、コートの右ポケットに異物を感じた。立ち止まって反射で手を伸ばす。何か入っている。取り出して、は?と思って涼を探した。涼は、いつもの距離だけ前に立って、盗み見たことしかない表情で俺を見ていた。

うまく声を返そうと考えているうちに、彼女が笑い、そして再び歩き始めた。とりあえずあいつに追いつこうと急いだら、かっこ悪くも滑ってコケた。涼はもうずっと前だ。そもそも俺のペースに合わせてくれなきゃ追いつけるわけねえよ、と独り言つ。涼が角を曲がった。右手で握っていたものの感触を忘れていたことに気づいた。溶けた雪がズボンの尻を濡らしていた。

2013/02/11

かよちんかわいいですね

気が向いたので雑記。

せっかくの連休なのに体調崩してろくに活動できてなかったのが悔やまれます。今回頭痛が酷かったので本読むのすらつらくて…。とは言えある程度気になってたものとかは見れたのでその辺について。

まずラブライブ!の4話と5話みました。3話まで見て止まってたんですけど、何個かおもしろい記事が上がってたのでじゃあ見てみるかーと思いまして。そういえば4話もバンダイチャンネルで見たんですけど、ニコニコだと無料だったようです。これから見るかたはお気をつけください。3話で止めてたのは、要するに好きなキャラがいなかったという話です。強いて言えばことりかなぁ、といったくらいで。普通にかわいい子がいっぱいではあるんだけれど、足し算じゃないですからねぇ…。

で、4話。かよちんがヤバい。卑屈系アイドルですよ。アイドルにずっと憧れてたんだけど自分なんかじゃ…とか言って迷ってるところを幼なじみの女の子(かよちんのことが大好き)とかよちんがちょっと好意を持ってる天才系ツンデレ(この一連の流れでかよちんに惚れる)に引っ張られてアイドルやってみようってなるまでが4話なんですが、素晴らしいですね。かよちんのうじうじ金時を大口開けて頬ばってキーンとなりたい。溶けたの啜りたいです。あの2人がかよちんを独占的にかまいたくなるのは当然ですな。

んで5話。まあなんだ。OPとかでも自然とかよちんを目で追っているのに気付いて、ああこれがドルオタが推しメンを見る目線なのか…などと変な感慨があったりしたそうです。かよちん出番少なくないですか。ひょっとして人気ないのかしら。俺が買い支えないと!

冷静に自制心を持って観ようと思います。好きなキャラできると一気に面白くなるなーというごく当たり前の結論です。おわり。

あとなんだっけ。エロゲー文化研究概論読んでます。だいたいは自制心を保ちつつたまに外れながらの昔語りですね。長老っぽい話し方で朗読CDでも作ったら売れるんじゃないかしら。売れないですね。まあ面白いです。今2000年代に入ったくらいのところ。この後続き読む予定です。

その他ちまちま東奔西走スクールライフADVやってます。大図書館やれよといった感じではありますが、白崎さんが典型的に苦手なタイプのヒロインなので…。でもオーガストはやりたい気分だったのではにはにでもやるかと。ちなみに茉理が好きです(わかりやすいなぁ)。しかし茉理が首かしげてる立ち絵はなんであんなにエロいんですかね…。

2013/01/27

『ゆきいろ』 マルルート感想

ゆきいろマルルートのネタバレ感想。たぶん短い。

1年くらい前に体験版やったときは確かマルはいいけど他があまりにどうでも良かったので結局買わなかったんですけど、定期的にマルルートだけはやりたいなぁと思い出すことを繰り返してまして、ついに買ってしまったようです。

微妙な点はけっこうあるんですが、過去編からのマルとの関係が非常に良い。あとは、「もしボタンを一つでも掛け違えたならば、この不思議な未来にはならなかっただろう」というテーマの扱い方。他のルートやってないしやる予定もないですが、マルルートの処理は好きですね。

幼なじみの関係性については文句なしです。頻繁に出てくるんですが、雪にメッセージを書いて思ってることを相手に伝えるシーン。2人で信じることにした「空の向こうから見守ってくれている六花さん」へのメッセージという形式をとって、「こたつみかんの向こうから見守ってくれている」相手に伝える言葉。並んで空見上げながら、六花さんに伝える振りをしながら。でもお互いにホントの意味はわかっている。

あと2人で帰りの遅いマルの母親をかまくらで待つシーンとかもう反則なのでやめてください。言葉少ないしならんで座ってるし…。

まあ、2人だけでいるシーンは全て良いですね。そのぶん、他の人間が入ってくるのがすっごく邪魔くさい。妹すらも。友人たちにいたっては消えてしまったらいいんじゃないだろうか…。ここが結構重大な不満点で、友人たちが主人公とマルをくっつけようといろいろ活動してたりするんですけど、これが非常にうざい。主人公とマルにはここまでの時間で出来上がったペースがあるんだから、余計な茶々はいらないんですよ。今後も、変わらないものは変わらないだろうし、変わるものは自然に変わっていく。大体、変わらないならそれはそれで別に構わないわけで。

ただこの辺りについては、わざと外的な要因(グァムでの修学旅行での友人たちの茶々とか、友人たちにお膳立てされたクリスマスでのホテルお泊りとか)を持ってきて、そこで2人の関係を急に進めさせないことにより、主人公とマル以外を無効化するためにやってたものなので、言いたいこととしては問題ないです。とは言え、友人たちのうざさがかなりのものだったので微妙な印象かなー。

小マルも同じ意味で微妙で、登場させる意味ねえだろと思います。ただこれも小マル自身が最後自分は必要なかったって言ってるので文句いえないという…。

あとはラストの「もしボタンを一つでも掛け違えたならば…」の取り扱いについて。もし過去編で、マルが主人公のもとを離れていたらというifですね。プレイ途中はてっきり、離れていたらこんなろくでもないことになっていた「から」今結ばれたことに価値がある、という展開かと思って(正確には思わされて)うへえってなってたんですが、実際には「たとえ」離れてい「ても」なるべきようになるのだ、というeven ifで締め。主人公とマルは「そういうふうにできている」、と。

期待どおり良い幼なじみものでした。

2013/01/10

『はるまで、くるる。』 感想

はるくるプレイしたのでその感想。ネタバレしないようにしようと思って書き始めたのに結局なんか中途半端にネタバレ入れないと書けなかったとのことです。

DL版がいつの間にか販売していたそうで、知ってすぐ購入(@DMM)して一気にプレイいたしました。いやー非常に好いゲームです。(シナリオが)凄いとか綺麗とか面白いとか女の子がぎゃわいいとかエロいとかオナニーがいっぱいあるよぉとかそういう「これだっ!」ていうのはないんですけど、ものすごく好感が持てる。

好感を持った理由はいくつかあるんですが、まず一つ目は、丁寧なシナリオですね。萌えゲーアワードのシナリオ賞で銀賞とってるらしいですが、なるほどといった感じ。といっても驚きがあるようなものではないと思います。記憶を消してもう一度やりたいとかいうタイプのゲームではないというとわかりやすいでしょうか。

バールを持ったヒロインに代表される違和感のあるキャラクター達が、高すぎる煙突に代表される違和感のある箱庭じみた世界でエロいことしまくっているという違和感ありまくりな展開で始まって、謎につられて読み進めていくうちに段々と状況が明かされていく。また、適当なタイミングで新たに異常な状況をつっこんで謎を供給してくれますし、魚の釣り針とかの伏線もわかりやすく入れてくれるため、ダレることなく読めます。

そして中盤から後半にかけて謎が一気に明かされるところでは、解説によって新たに生じるであろう疑問にも答えようとしてくれます。それ自体の不自然さが気になるかどうかは個人的にはさほど問題ではないです。丁寧に答えようとする態度自体が好ましい。

描写の量も適当だと思います。絶望に至るには時間が必要ですが、必要なら必要なだけ描いてある。世界の謎が明かされたとき、主人公と同じく、こりゃどうしようもねえなーと思いましたもん。段階をちゃんと追っているので展開に抜けがない。

二つ目は、すっとぼけたテキストですね。なんかバールもってるヒロインがいたり魚さばくの初めて見て「Noッ!」とか叫びまくって唐突にゲロ吐くヒロインがいたりバールをステッキにしたゲロ吐き魔法少女ヒロインがいたりいろいろおかしなことになってるんですが、ボケに全く気負いがない。かるーくごく当たり前のことのように流して書いてある。なんでも力入ってる感じのはあんまり好きではないのでこのへんも心地良かったですね。そんでいて締めるところではちゃんと締まっている。一部シリアスなシーンで古式ゆかしいリピート埋め尽くしみたいなのがでてきますがその辺もご愛嬌といった感じで流せるくらい好感がもてました。

あとはやっぱりキャラクターたちですね。主人公をナイフでぷすぷすしちゃう晴海さんはおっぱいでかすぎるので好きではないですが、他の三人は好きですねえ。なお、この「好き」は、ああセックスしたいなぁというようなものでもああ匂い嗅ぎたいなぁとかいうのでもないです。愛着ですね。静夏さんの、あそこで「ややこしい話はくだらないから朝エッチしましょう!」と言ってしまうカッコよさ。秋桜さんの「世界は今日も平和です」などと心にもないことを言いたくなるようなかわいさ。冬音さんはまあ…ずるいんだけど……。

主人公も含め、彼らはみんなどっかおかしい。虚構的なキャラクターという印象は受けます。だけど、それが否定的な印象を生むことは全くない。そんな彼らが集合している理由については物語上で説明されてたりしますが、それは関係ないです。彼らの異常さも、そういうものとして好ましいと思える。そう思えるだけの時間が描かれています。

綺麗に言えば。リセットされ、春に至れない絶望を繰り返す彼らを眺めるうちに、俺は彼らへの愛着を堆積していった。彼らが、記憶を失っても感情の残滓を堆積していったのと同じように。だからですかね、ラストシーンで春すぎる春を迎えることができた彼らに、ただただ「おめでとう」と伝えたくなったのは。

新年一発目からめでたい気持ちになれるゲームに出会えました。次作の『なつくもゆるる』が楽しみです。

2013/01/08

『夏空のペルセウス』 感想

なんだか年末年始ひじょーにバタバタしておりしかも憂鬱なイベント大量発生で全く休まらなかったようですあけましておめでとうございました。

さてすっかり時間あきましたが、体験版の感想
http://sagaslave.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html
書いたのに本編感想ないのも座りが悪いので、夏ペル(夏空のペルセウス)の感想を書いておこうと思います。ネタバレあり。

一言で言うと微妙でした。ちょっと期待しすぎてしまったのも悪いんですが、透香さんのルートで肩透かしくらった印象です。なぜそんな印象になったか体験版も含めてプレイ時系列に沿って感想書いていきます。あんまりやる気ないのだけれど…。

始めに簡単に設定書いておくと、主人公と妹の恋(名前)は、どちらも他人の「痛み」を自分に移すという力を持っています。そのせいで人に利用されたり、他人と深くかかわれなかったりしてきました。そんな中で逃げるように物語の舞台となる(同年代の少女が3人しかいない this is エロゲ)ど田舎の村にたどり着く。そこにいた少女の一人は、不治の病に侵されており――と実によく誂えられた舞台設定でしてこうなるともう「救う」うんぬんの話になるに決まってやがると予想して、敏感に気を張って読んでいったわけでございます。

で、共通と透香ルートの序盤までが含まれている体験版。体験版プレイ時の感想は別に書いてますので、簡単にまとめると、主人公が自分の能力を(他人に利用されて強制されて使うのではなく)自分の意思で使って透香を(彼女の許可を得ずに)救おうとしますが、能力が透香にバレてしまい、透香に勝手に救うという行為の傲慢さを糾弾される。

この段階で安心したんですけどね。本編ではこの先を書いてくれるはずですから。自分からみて相手のためになる行為であろうと、一般的にみて相手のためになる行為であろうと、許可を得ない限りは、押し付けでしかない。これが「前提」です。その後どう行動するにせよ。

まあ要するに、俺が体験版プレイして購入決めたときに勝手に期待したものは、この「前提」を踏まえた上で主人公はどうするのか、だったわけです。

でこんな予見を抱いた状態で本編をプレイし始めました。なお、透香さんルートはロックかかってまして、他3人(恋、翠、あやめ)を攻略してからじゃないと進めません。まずは恋さん。個別で一番良かったです。

恋は他のヒロインとは違って特別な位置に立っています。まあ妹だから当たり前なんですが、能力的にもそうなんですよね。彼女だけ、主人公と同じ位置に立つことが可能。また、恋のほうが主人公よりも能力が強いため、主人公は恋に対してのみ普通の人間のように接することができる。つまり、恋を傷つけても、その痛みを感じないでいられる。

最後のやつは極めて重要な特権です。なぜなら俺は、主人公が他人に干渉することを忌避していたのは、例えば自分が素手で相手を殴った場合、その痛みが自分に跳ね返ってくる、ということによると考えているからです。相手の痛みが自分に移る、というのは、そこまで恐ろしいことではない。ましてや相手の痛みをなくしてやっているわけだから。自分は被害者でいられるし、優しい僕ちゃんでいることもできる。何もつらいことはない。快感すら覚えますよ。ああ俺はつらいんだキモチイイっ!!!

そういうことじゃねえだろと。他人に干渉するということは、相手を傷つける覚悟を持つということであって、それによって自分も傷つくという覚悟を持つということでしょう。主人公はこの構造を明示的にしてしまう能力を持つがゆえに、こんな当たり前のことから逃げる言い訳を無自覚に得ているだけです。

ちなみに俺は明示的にしてしまう能力を持たないので、自覚的に他人に干渉しないように努力しています。傷つきたくないからねっ☆

さて俺の話は置いといて恋ルートの話に戻ります。恋さんはすごく賢いので、こういった構造とか、自分が主人公にとっていかに特別な位置にいるかをよーく理解している。例えば、初体験のシーンで、破瓜の痛みを主人公に味あわせない、とかもそうですが、全体にわたってキレッキレの台詞を連発してくれて非常に楽しかったですね。あと、ラストの逃避行は、まあ大好きです…としか…。

続いて翠さん。このルートは甘酸っぱくてふたりとも死ねばいいのに(嫉妬感)。少し真面目に書くと、このルート、体験版やらずに一発目に行ったら「えっ何このヤマ無し展開」ってなると思います。だけど、主人公がどんな奴かとか、その能力の意味するところとかを把握した上でプレイすると、翠ルートは、主人公の悩みだとか、「救う」とか救わねえだとかそんなもんは全てくだらない話で、簡単に(まあ俺にはそんな青春はなかったけれどもな!)解決してしまえるんだ、ということを表現するためにあったんだろうなーという印象を受けます。はぁ…恋がしたかった……

あやめルート。おっぱいでかすぎてもはやモチベーションの維持が困難になりメタに見るしかできず残念な結果に終わってしまったという噂が俺の内部で流れておりますが、このルートは本当にひどい。体験版やってたので透香さんルートでめっためたに打ちのめされることを知ってたから何とかプレイしましたが、そうでなかったら放り投げてたんじゃないかしら。

主人公が勝手にあやめの「心の痛み」を無くしてあげようと能力を使う。当然ながら「心の痛み」なんてもんは今のあやめを構成する重要なパーツの一つです。それを勝手に奪ってしまったせいで、あやめがあやめでなくなってしまう。最悪ですよ。しかも自分が何やっちまったのかまともに理解できていない。プレイしながら「ダメだこいつ」ってずーっと思ってました。お前取り返しのつかないことしたんだよって。

しかも解決策がまたひどい。彼女が失った「心の痛み」を再度植えつけることで、彼女を元に戻す。またもやあやめの許可を得ることなしに。おまけに主人公が考えた計画では、「自分を犠牲にしてもいい」などと悲劇のヒーロー気取りである。もうね、アホかと。

誰かを救うという行為が、自らの犠牲と結びついている精神構造はまあこれまでの経験から仕方ないのかもしれませんけど、お前は自らの意思に関係なく行動を決められることの腹立たしさを、利用されつくした経験からよーく知ってるんじゃないの?っていう。

実際には、透香さんとか恋さんとかの大活躍により主人公の作戦どおりにはいかないんですが、あやめさんに再度トラウマ植え付けてほぼ元に戻して終了という、なんとももやもやする展開で終わります。

ただまあこの段階では透香さんルートで主人公のクソ野郎がメタメタに打ちのめされてここまでの鬱屈とかはどのような形であれ解消されるのだろうと信じておりました(フラグ)。というような状況で透香ルートが開放されたので突入したわけです。

正直もう書くのだるくなっているので、簡単に。主人公が体験版の終わりの段階で透香のことを好きになっていた、とするには描写が足りなさすぎると思う。それならば、あの告発シーンでの透香の美しさに圧倒されて惚れてしまった(俺はそうです)とやってくれれば良かった。

そして、あの言葉を受けて、自らの身勝手さを知って、惚れた相手に同情などいらないと言われてもなお、ただ自分が惚れた相手に生きていて欲しいという身勝手な欲望のままに、彼女を救ってしまえば良かった。あるいは、ただ見るしかできないのであれば、そのまま立ちすくんでしまえばいいじゃない。良くねーけど。

都合よく改変された能力による大団円など、くだらないにも程がある。


以上、勝手に期待した人間の身勝手な感想はこのへんで終わりにしておきます。