2015/01/18

『J.Q.V 人類救済部 ~With love from isotope~』

こんばんは。増田に2本書いたらトラバが1件ついて嬉しい日曜日でした。不毛感すげえ。

それは置いといて、すみれが予定調和的に延期になったので1月のエロゲ0本になってしまい、かといって積みゲはだてに積まれてないだけあってやる気が置きず、結局同人エロゲ漁ってJ.Q.Vってのプレイしたのでその感想でも。

まず体験版やったんですけど、プレイ開始して即わかるC†Cのオマージュ臭がすごい。特に主人公のキャラというか喋り。しまいにゃ他者がうんぬんとか言い出したのでここまでやるんなら一応やるかーと思ってDMMで購入。

人間が思考によって簡単に他の生物に変容してしまう世界に残された3人という状況設定の下、現在と過去を交互に語ってその中での主人公の変容の様子とSF的ガジェットを開示していくという流れです。

まあ当然のごとくSF的ガジェットは主人公と密接に接続されています。主人公と他者との関わり方みたいなもんがメインテーマなんですけど、主人公の原罪からくる他者への干渉の強さがまずある。調整を知らないっつーか。簡単に人が他の生物に変容する世界においてこれは主人公が他者を変容させてしまうことで強調して表現されています。

まず、主人公は強さをそのままに他者をコントロールすることで彼の王国を保持しようとする。が、当然のごとく失敗。均衡してるように見えても不安定に決まっているから。そんじゃあ他者に変容させられることを望む人間(彬名)ならマッチするのかというとそれは主人公のほうで拒絶する。めんどくさい主人公がここで初めて自分の願望(他者を優しく傷つけたい)を自覚する。やり方はわからないままだけれど。なおここで彬名が人間としての自分の有り様を貫いて犬に変容するシーンは見事でした。どうしても徹底している姿には惹かれてしまう。

ここまでが過去回想で語られる部分です。そして現在のほうでは、主人公はトリックスター的なナタリアの出自を知ることで、1対1(私とあなた)では殆ど何の影響も与えないような弱い触れ方の存在に気づく。主人公と多数の他者との1対1の弱い干渉のアンサンブルは、他者それぞれは変化させずに、主人公という1と主人公以外の世界という1を大きく変容させる。観測うんぬんネタで強弱を扱ったのはあまり見たことなかったのでこのあたりは結構好印象です。そういや平行した多数のナタリアの絵も良かったですね。

といった感じで流れ自体は好みなんですけど、魅力的なヒロインが彬名ひとりしかいないのと、本筋が読みやすいわりに設定の説明が多いのでかなりダレながらプレイしてたんですよね…。彬名の変容とか、いいシーンもいくつかあったんですけど、それを見るためだけにゲームをプレイしなおすほどの印象は受けず。まあガジェットにウェイト置くひとなら普通に楽しく読めると思うので、合わなかったというだけの話ではありますが。